朝日新聞は30日、人気アニメや映画のセリフを文字に起こし、その作品のスクリーンショットとあわせてネットに公開したとして、運営会社の関係者を宮城県警が著作権法違反の疑いで逮捕したと報じました。
11月1日放送『CBCラジオ #プラス!』では、この記事が気になったという山内彩加アナウンサーが番組で取り上げ、竹地祐治アナウンサーとともにネタバレサイトの問題点について語りました。
全国で初の逮捕
ネタバレサイトとは、ネット上でマンガや映画などのあらすじを載せているもの。
話の最後まで書かれているというのは、当然のことながら作者や製作元に無許可で行われています。
長時間観なくても話の内容がわかるという点で、タイパを意識する人にとって人気だったり、お金を払わなくても内容がわかるという人が読んだりしています。
普段から映画をよく観る山内、「この映画が私に合わなかったら2時間苦痛だな。事前になんとなくあらすじとかどういう感じで進むのか見てから決めようかな」と、正直思うこともあると語りました。
ネタバレサイトによる逮捕は全国で初めてですが、この会社はネタバレ記事で広告収入を得ていたということで、山内はあらためてこの種のサイトへの印象が悪くなったようです。
なぜ法律違反となる?
竹地は日頃著作権に関わる仕事もしているため、ここであらためてどのような点でネタバレサイトが法に触れているのかについて解説しました。
ドラマやアニメの脚本は著作物なので、著作権があります。
脚本にはセリフがあり、その一部を抜き出して繋げ、自身の文章として公開する場合、著作物から明確にわかる形で抜いていると著作物利用ということになり、権利を持つ人の許諾が必要となり使用料を支払う必要があります。
許諾を得ずに勝手に文章をネット上で公開することは私的な利用範囲を超えており、お金を得ることを目的に行うと問題が生じます。
さらに今回のケースでは作品の一場面をキャプチャしてネット上に載せています。
たとえひとコマであっても著作権が生じていると考えられますので、スクショした画像をネットに勝手に載せてお金儲けに繋がっていれば、こちらも違法性が高いとのことです。
どこまでがセーフ?
では、あらすじの掲載だけでは問題がないのかといえば、「その判断はやや難しいところ」と竹地。
竹地「あらすじだったら大丈夫じゃないかなと思うんですけど、ただ、オチまで全部伝えてしまうようなやり方だと、権利的な部分よりも不正競争防止法とか別の法律的な問題、不法行為という問題は生じるかなという気はしますけど、著作権で何か、ということではなくなりますね」
オチまで伝えてしまうのは良くないようです。
では、冒頭に紹介した記事のような違法性の高いネタバレサイトを読んだ側は罪に問われるのでしょうか?
竹地「見たことがある人たちは、罪に問われません。著作権というのは経済的な利益を産むための道具でもあるわけですね。
著作物を作った人から許可をもらわずに、勝手に利用してお金を得ているということになると、そもそも考え方としてダメですよね。
それが(ネット上に)あがっちゃってることが、ちゃんと許諾をもらっているかもらっていないかわからない人たちが見に行っているとすると、その人たちって何も問題はないですよね。
今どきそういうのがいっぱいあがっているので、怪しいなというのがあったとしても、怪しいなぐらいでは(サイトを見る側が逮捕されることはない)ということだと思いますね」
ネタバレサイトによって、本来よりも本の売り上げが下がったり、テレビの視聴率が下がったりすると、それは著作物を作った作者や会社の利益を損ない、最終的には新しい作品が生み出せないということにもなりかねません。
将来の作品のためにも「ネタバレサイトは見に行かない」という姿勢が必要なようです。
(岡本)
CBCラジオ #プラス!
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2024年11月01日07時04分~抜粋