以前から少子化対策の必要性が叫ばれていて、岸田前首相が「異次元の少子化対策」を掲げていたものの、即効性のある政策を立てるのは難しいという状況です。
いくら予算をつけても現場がそれに追いつかなければ意味がありません。
10月23日放送『CBCラジオ #プラス!』では、山内彩加アナウンサーが保育士不足について報じた中日新聞の記事を取り上げ、ジャーナリストの北辻利寿さんと三浦優奈とともにコメントしました。
保育士が不足している現実
記事によると、女性ひとりが生涯に産むこどもの推計人数を示す合計特殊出生率は、2023年に1.20と過去最低を記録。
理論上は両親2人に対してこどもが2人、つまり2以上なければ人口は減っていくことになりますが、亡くなってしまう人のことも考えるともっと必要になります。
現在展開されている衆院選でも各党が子育て支援の充実を訴えていますが、少子化になかなか歯止めがかかりません。
これを受けて保護者の就労状況に関わらず利用できる「こども誰でも通園制度」の創設など、異次元の少子化対策は打ち出されているものの、現場の保育士が足りていないという深刻な現状となっています。
ただ「保育園の入園資格に落ちた」という声も相変わらず聞かれていて、「異次元の少子化対策」というキーワードが出て1年半以上経った今でも、まだ誰もが入園できる状況にはありません。
保育士不足の解消につながるかも
そのような状況の中、保育士不足を解消するための新たな試みについて、先日放送の報道・情報番組『チャント!』(CBCテレビ)が伝えました。
名古屋市守山区にあるこどものまち小幡保育園では、保育士の髪の色の制限を撤廃し、黒ではなく茶髪でもピンクでもなんでも良いというルールにしたところ、保育士の応募が増えたとのことです。
山内「確かに保育士になりたいっていう人はたくさんいても、やっぱり給料もちょっと低いし、こどもたちの命を預かる仕事でひとりで責任を持ってというのは難しいって思っていても、髪色は自由だよとかネイルもかわいくしていいよって言われたら、結構就職しやすくなると思うんですね。
身近で一番手っ取り早いのは、そういった周りのルールを少しずつ変えていくことかなと思いましたね」
北辻「そうですね、順番に変えていかないと少子化という問題はなかなか解決できないと思います」
今やさまざまな制約を設けているのに給料は安く、こどもを育てる使命感や達成感だけで働かせるのは、よく「やりがい搾取」といわれる働き方であって、労働環境を変える必要がありそうです。
働きながら育児ができるのか不安
少子化の一番の問題点は、女性が結婚してこどもを産んでも働くことができるのかということ。
いまだに保育園に入れない人が結構いるという状況だと、山内も「将来子育てできないのではないかという不安がある」と言います。
また、会社員である山内に対し、タレントで個人事業主である三浦からすると、「産休・育休がないため、もっと休暇が取りにくい」と語りました。
育児休暇に関する整備も当然必要ですが、今はそれ以前の問題として保育士不足がずっと言われているため、異次元という特別なものではなく、それが通常になるような対策が求められています。
(岡本)
CBCラジオ #プラス!
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2024年10月23日07時04分~抜粋