10月27日は衆議院議員選挙の投票日。昨今、投票率は50%台にまで落ち込んでいる状況です。
選挙に行かない理由として「選びたい候補者や政党がない」が多く挙げられるものの、投票しない人が増えれば、特定の人々の意見だけが政治に反映されていくことになります。
10月18日放送『CBCラジオ #プラス!』では竹地祐治アナウンサーが、中日新聞主幹の島田佳幸氏による記事を取り上げ、「投票先がない」という方に視点を変えた投票の方法を伝えます。
絶対選びたくない人を外す
「選びたい候補者や政党がない」との声が多いということは、今の政治や政治家に魅力を感じられない人が多いともいえます。
ただ島田氏によると、選びたい党や候補者がいなくても投票する人は「党や候補者は2種類しかない」と考えているとか。
それは「選びたくない党や候補者」と「絶対に選びたくない党や候補者」という2種類。
そのため「絶対に選びたくない党や候補者」は選択から外し「選びたくない党や候補者」を選ぶという行動です。
投票を呼びかける3つのパターン
この見解は消極的な選択方法のように思われますが、竹地はメディアで「選挙に行きましょう」と呼びかける側の立場で説明するのに、3つのパターンがあると語りました。
最もよくあるパターンは「とにかく投票し、国民としての権利を行使しましょう」「あなたの一票を政治が変えます」と、まずは投票を促すもの。
2つ目は「投票率が高い高齢者の世代に政治が配慮するため、若い人たちも投票に行きましょう」という、年代別の投票率の違いに訴えるもの。
そして、3つ目のパターンが島田氏が書いた「絶対に選びたくない党・候補者を外す」というもの。
山内彩加アナウンサーも、この3つ目の考え方に納得したようです。
山内「私たち若い30代ぐらいからすると、『ちゃんと(選挙に)行かないと若い人たちに良い権利がもらえなくなっちゃうぞ』みたいなことはわかるんですけど、やっぱり同世代はあんまり行ってないイメージがあるんですね。
でも、選びたくない人を選びなさいって言われたら、『その目線いいよな、確かに』って思いますよね。ひねくれ者でも(笑)」
選挙カーの騒音問題
投票したくない党・候補者を選ぶ材料としては、実績や掲げる政策などが考えられますが、その一方で「選挙カーがうるさい」という理由を挙げる人もいるかもしれません。
ルールでは朝8時から夜8時までと決められているものの、特に終わり間際の夜7時台は「特にうるさい」と感じる人も多いでしょう。
この問題については、1983年(昭和58年)、公職選挙法改正に関する調査特別委員会に全国市区選挙管理委員会連合会が出席し、「連呼行為は生活リズムを乱して騒音と受け取られるようになり、苦情が多くなっている」と報告しています。
これに対して、首相になる前だった小泉純一郎氏は「例えば『小泉純一郎であります』と言って回っても、有権者が票を入れてくれるとは夢にも思っていない。
しかし、連呼しないと『選挙運動をやっているのかわからない』『楽々当選すると思っているんじゃないのか』と苦情が来てしまうため、言わざるを得ない部分もある」と返答しています。
名前を連呼せざるを得ない理由
駅や繁華街では候補者が名前のアピールとともに政策を演説している一方で、選挙カーとなると名前を連呼するだけ、というイメージを持つ人は多いでしょう。
実は、法的にそうせざるを得ない事情があるのです。
公職選挙法では、選挙カーを使った選挙運動においては、政策などを訴えられるのは停車時だけで、走らせている最中は連呼行為しか認めていません。
また名前の連呼には投票を促すような効果もあるようですが、最近のトレンドとして「ただ名前を言う以外の選挙戦もあるのではないか」と、新たな方法を模索しているとのことです。
(岡本)
CBCラジオ #プラス!
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2024年10月18日07時15分~抜粋