宇宙への挑戦は人類のロマンです。
東京大学が南米チリの標高5,640mの高地で建設を進めている「アタカマ天文台」は、「標高世界一の天文台」としてギネスに認定されています。
9月10日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、この「アタカマ天文台」について、光山雄一朗アナウンサーが紹介しました。
計画から26年…ついに完成
アタカマ天文台は今年の4月に山頂の施設が完成し、標高世界一の天文台としてギネスの世界記録に登録されました。
リ北部のアタカマ砂漠にある標高5,640mのチャナントールという山の山頂にあります。
建設の計画が始まったのは1998年。
当時は見渡す限りの荒野で、まずは山頂につながる仮設の道路づくりからスタートしていきました。
高山病を防ぐために、スタッフは全員酸素ボンベを背負って工事。
さらに冬になると極寒で、積もった雪もなかなか溶けないという過酷な環境でした。
そんな中、日本人120人を含む350人で工事は行なわれ、ついに完成。
計画開始から26年の超大型工事が無事終わりました。
赤外線に特化した観測が可能
この天文台には日本から持ち運ばれた直径6.5mの大型望遠鏡が設置されており、赤外線の観測に特化したもの。
赤外線は大気中の水蒸気に吸収されやすいので観測がとても難しいとされています。
しかしこの天文台が立っている高地は空気が乾燥しているため、地表からは見えない天体が放つ赤外線を捉えやすいということです。
この赤外線の研究が進むことで、新たな天体の観測であったり、より深い研究につなげることができます。
そして来年からはこの大型望遠鏡での観測が始まり、 銀河の誕生、宇宙の起源の解明などを目指していくということです。
期待されることとは
これまでも大型の望遠鏡はいくつも設置されてきましたが、ハワイのスバル望遠鏡などの多くは北半球にあるため、この南半球にあるアタカマ天文台ではこれまで見えなかった天体も観測できることが期待されています。
また、この施設を作った東京大学以外の研究者にも観測の機会を提供する予定。
若手の研究者の挑戦的な研究にも使われるのではないかと、そんな期待も持たれています。
宇宙に一番近い展望台。
未知の世界にロマンを抱きながら、今日も研究が進められています。
(ランチョンマット先輩)
CBCラジオ #プラス!
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2024年09月10日08時41分~抜粋