山口県下関市にある市立しものせき水族館「海響館」 で、ある魚の稚魚が展示されて話題となっています。それは「アマミホシゾラフグ」というフグの一種。
2012年に発見され、2014年に新種に登録された魚で、海底で謎の「ミステリーサークル」を作ることで注目されています。
9月5日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、この「アマミホシゾラフグ」について、市立しものせき水族館「海響館」 の展示職員・皆川梢さんに話を伺いました。
ロマンチックな名前の由来
「海響館」では、奄美大島で採取した卵からふ化させた「アマミホシゾラフグ」の稚魚を展示しています。
こうした「飼育下育成個体」の展示は世界初のことです。
「アマミホシゾラフグ」は、一般的なぷっくりとしたフグよりはスリムな印象の魚。
砂によく馴染むような色をしています。
背中一面に星空のような白い斑点が散らばっていることから「アマミホシゾラフグ」というロマンチックな名前が付いたそうです。
オスが作る巨大なミステリーサークル
現在展示している「アマミホシゾラフグ」の大きさは約4センチ。
大人になっても10センチほどの大きさのかわいらしいフグですが、このフグが作るのが、直径2メートルぐらいの大きな「ミステリーサークル」です。
この「ミステリーサークル」は、メスが卵を産みつける産卵床。
基本的にはオス1匹とメス1匹のペア用ですが、タイミングをずらして違うメスが産むこともあるかもしれないとのことです。
「ミステリーサークル」を作るのはオスのみ。たった1匹で、自分の身体の20倍もある幾何学的な美しい模様を作ります。
ふ化後102日目!
「海響館」に展示されているのは、世界初の飼育可育成個体です。
奄美大島に許可をもらい、現地の水深30mほどの場所で卵を採取。
卵から6日ほどでふ化して、この日でふ化後102日目を迎えました。
ここから大人のサイズになるまでどのくらいの日数がかかるのかは、まだわかっていないそうです。
「砂に潜るんだ」「この餌を食べるんだ」など毎日が発見の連続で、とてもやりがいを感じているという皆川さん。
一方、世界初の稚魚展示ということで「飼育情報が少ないのが難しいところ」とのこと。
いつか巨大な水槽に
「アマミホシゾラフグ」がどういう砂が好きでミステリーサークルを作るのか、ということもまだわかっていません。
「いつか作ってもらえたら」という夢もあるものの、直径2メートルと考えると巨大な水槽が必要になるという現実もあります。
それでも「水族館で見られたらかなりの感動だろうな」と、皆川さん。
現在は、「アマミホシゾラフグ」と共に「ミステリーサークル」の実寸大の模型を置いているそうです。
神秘的なミステリーサークルで生まれた「アマミホシゾラフグ」のかわいらしい姿を見たい方は、ぜひ下関市立しものせき水族館「海響館」へ!
(minto)
CBCラジオ #プラス!
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2024年09月05日07時42分~抜粋