アメリカの民主党は5日、大統領選挙の候補を選ぶオンライン投票を締め切り、代議員の99%がカマラ・ハリス副大統領を支持したと発表しました。
ハリス副大統領が正式に指名された場合、主要政党で黒人女性アジア系の方が大統領候補になるのは初めてとのことです。
大統領選挙が盛り上がりを見せているのかと思いきや、実はアメリカではそうでもない事情があるようです。
8月7日放送『CBCラジオ #プラス!』では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、アメリカ大統領選挙の現状について解説しました。
副大統領の最有力候補
バイデン大統領が次の大統領選挙に出馬しないことになり、ハリス氏が登場したことで最初は盛り上がっていたのですが、最近はさまざまな問題が出てきています。
まずは日本株の暴落があったように、アメリカのみならず世界的な景気減速です。
また中東情勢もキナ臭くなっていて、これらが現政権への不満につながると、バイデン大統領はもちろんのこと、副大統領のハリス氏にも矛先が向くことになります。
そこで注目されるのが、新しい副大統領を誰にするのかということですが、白羽の矢が立ったのが、中西部にあるミネソタ州の知事、60歳のティム・ワルツ氏です。
先日、ハリス氏がインスタで「ティムの際立っているところのひとつは、中流階級のために戦うという彼の信念がいかに深いかというところ」と語っています。
なお、ワルツ氏には高校教師や州兵の経歴があるとのことです。
副大統領候補に推しづらい理由
副大統領候補については「白人男性がいいのではないか」との意見もあり、ペンシルベニア州知事のジョシュ・シャピロ氏も有力視されていました。
ただ、シャピロ氏はユダヤ系で、最近はイスラエルの諸問題で反感を持つ人が増えるのではないかという見方もあります。
もうひとり有力な候補がアリゾナ州選出の上院議員マーク・ケリー氏で、宇宙飛行士の経歴を持ちます。
そのため人気もあり穏健なイメージがありますが、別の困った問題が発生しています。
現在民主党と共和党が拮抗しているアメリカの上院でケリー氏が副大統領になると、1議席が減ってしまう問題があるのです。
そのため、現状では最初に紹介したワルツ氏が有力と見られます。
安心感がある?
ワルツ氏には温厚で庶民的なイメージがあり、民主党にとっても適任であるようです。
民主党内でも考えが分かれていますが、急進左派もワルツ氏を支持する動きがあり、党内をまとめる役割を果たしそうです。
一方、共和党のトランプ氏は「株価は暴落し、雇用の統計もひどい。有権者にはトランプの繁栄か、カマラの大恐慌かの選択がある」「カマラはいんちきバイデンよりひどい」などと、相変わらず激しい表現で攻撃しています。
それに対してハリス氏とワルツ氏という並びは安心して見られるのかもしれません。
(岡本)
CBCラジオ #プラス!
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2024年08月07日07時04分~抜粋