共和党のトランプ前大統領は先月31日、11月に大統領選で戦うことが確実視されている民主党のハリス副大統領について、「ずっとインド人だったのに、突然黒人に変身した」と発言し、波紋を呼んでいます。
この発言の意図は何か?そして大統領選に与える影響は何でしょうか?
8月2日放送『CBCラジオ #プラス!』では、この日に中日新聞が「トランプ氏発言波紋」と報じた記事を基に、竹地祐治アナウンサーと山内彩加アナウンサーが解説しました。
発言の真意
ハリス氏は父親がジャマイカ系の黒人、母親がインド系の移民ですが、幼い時に両親が離婚しています。
ハリス氏自身は「幼少期から黒人の地区で育てられた」という話をされていますが、これに対しトランプ氏は、「今までインド人であることをアピールしていたのに、最近は黒人ということをアピールしている」と揶揄しているようです。
以前、トランプ氏はバイデン氏のことを「老いぼれ」と揶揄していましたが、20歳近く年下のハリス氏が出てきたことで、逆に言われる立場になってしまいました。
冒頭の発言は「トランプ氏の戦略」と指摘した竹地。
竹地「トランプ氏からすると、『彼女はすごいけど、俺もすごい』という攻め方ではなくて、彼は常に『俺はすごいけど、あいつは全然ダメだ』っていう論法なので。
カマラ・ハリスさんは元検事さんで、ものすごく優秀なんだけれども、トランプ氏からしてみると、『何か見つけて叩かないと、自分の票を伸ばすことができない』と。たぶん、トランプさんの票は伸びない。
鉄板のトランプ票というのがあって、それをアッパーだとすると、戦い方としては相手の票を減らすしかない。
彼としてみれば、何か引っかけてでも貶めたいっていうところがあると思うんですけど」
時々放つ問題発言
これまでの報道でもハリス氏を「アフリカ系インド系」と伝えていたため、言いがかりといえなくもありません。
今回、この発言をしたのは黒人が集まる集会で、1時間の予定でABCというアメリカのテレビ局のキャスターに振られる形で発言しましたが、この場所、このタイミングで言うことなのかという意見もあります。
山内「私は毎回、トランプさんがこういう発言をする度に、嫌な気持ちになるんですよ。
なんでこの人って、ずっとアップデートできてないんだろう?パワハラ研修とか受けたら?って思っちゃいますですけど」
感覚が80年代のまま
日本が経済的にかなり勢いがあった80年代に、日本叩きを行なっていたのが実業家のトランプ氏でした。
竹地は「当時の感覚のまま大統領になり、今度も同じままで大統領になろうとしているのではないか?」と推察。
今回は「敵を作って人気を得る戦略」であり、黒人の票を減らそうという戦略だったのかもしれません。
この戦略が有効だったのかどうか、11月の大統領選の結果に注目です。
(岡本)
CBCラジオ #プラス!
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2024年08月02日07時03分~抜粋