『CBCラジオ #プラス!』の「日本全国にプラス」のコーナーは今、全国に起こっている話題を届けます。
7月2日の放送では、京都の丹後地域、良質な水を生かして発展している丹後ちりめんを紹介しました。
この地で織物職人として活躍している臼井勇人さんが、丹後ちりめんを知らない人にも気軽に触れてもらいたいと「カップチリメン」という商品を開発しました。食べ物ではなく織物です。
光山雄一朗アナウンサーが臼井株式会社の臼井勇人さんに伺いました。
丹後ちりめんの特徴
まず「丹後ちりめん」とはどういうものでしょう?
臼井さん「中国から京都の西陣に伝わって、それが丹後に伝わった、約300年くらい経っている織物です。基本的には着物の生地によく使われています。一般的にシルクで織られていますが、現代だと綿やポリエステル、レーヨンで織られて洋服にもなっています」
どんな特徴がありますか?
臼井さん「表面に細かい凹凸があり、それによって光の乱反射を生み、光と影がよくでき、濃い深い色合いが出て、たわんだ時にきれいな織物です。
それが一般的な魅力ですが、製造者側から見ると作り方が独特です。織った後にお湯に入れてきゅっと縮めて表面の凹凸を作るのが特徴的な製造法です」
「カップチリメン」、実は巾着
その丹後ちりめんから作った「カップチリメン」とは何でしょうか?
臼井さん「お湯につけて縮むという工程を、お客さんに実際にやってもらうという商品です。
一般的には丹後ちりめんは30分から1時間程度お湯につけて縮ませますが、特殊な生地を使うとそれが急激に縮みます。それを利用して、織ってすぐのちりめんを巾着の形に縫製をしておいて、それをカップに入れる。お湯を入れて、3分経つと巾着ができあがるという商品です」
本当にカップ麺みたいですね。それでできあがるのが巾着ですか?
臼井さん「だいたい半分くらいに縮んで、凹凸感が強いので、白いおにぎりみたいなのができあがります」
偶然の産物?
オリジナルで急速に縮む、どうしてそういうものができたのですか?
臼井さん「凹凸感を大きくしようといろいろ試行錯誤していたら、たまたまなったという感じです」
「カップチリメン」は1ヶ月ほど前から発売されており、税込みで1,980円です。
店舗販売はこの地域と京都市内だけですが、ネットでも販売しているとのことです。
発売からの反響については…
臼井さん「面白いと言ってもらえます。着物の生地によく使われますが、着物好きな方でも縮めて作るという工程をほとんどの方は知らないので、知ってもらえて面白いと言ってもらえます」
臼井さんによれば、巾着を縫製して縮めてみたら、おにぎりみたいにかわいく見えたので、それを商品化しようと考えたそうです。
海苔と梅も
お湯に入れてできた巾着は、縮みが不均一なところに軽くアイロンを当てて形を整え、半日くらいすると乾いて使用できるとのこと。
臼井さん「あとおにぎりだから具材に海苔と梅があります。黒と赤いフェルトが入っているので、それを自分で切って、くっつけてもらう作業があります」
現在のところ、どういう方が購入しているのでしょう?
臼井さん「おみやげも多いですし、海外の方にもカップラーメンとおにぎりは知名度が高いので買っていただけます」
最後に、丹後ちりめんの未来について語る臼井さん。
臼井さん「丹後ちりめんは着物愛好家の方には知名度がありますが、そうでない方には知名度がなくて、そういう方に丹後ちりめんの面白さとか、魅力を知っていただくきっかけになって、最終的に着物まで買っていただけたらと思っています」
(みず)
CBCラジオ #プラス!
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2024年07月02日07時41分~抜粋