日本のスポーツの聖地として長い歴史を誇る国立競技場が2025年から民営化されることになりました。今後どんな形で運営されていくのでしょうか?
6月18日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、光山雄一朗アナウンサーが、CBC論説室の北辻利寿特別解説委員に、この民営化について尋ねます。
民営化とは?
アイドルグループ・嵐のファンの光山は、国立競技場と言えば嵐のライブを思い出すそうです。
スポーツとともにコンサート会場というイメージもあります。
この国立競技場が民営化されるとはどういうことでしょうか?
北辻「NTTドコモを中心とするグループが優先の交渉権を得たということで、来年4月から30年間、運営していきます。提案の額は528億円です。どう活用されていくのか楽しみです」
2度の東京オリンピック
現在の国立競技場は二代目となります。
初代は1958年(昭和33年)アジア大会の開催を機に、メイン会場として明治神宮の外苑に作られました。
北辻「1964年、最初の東京オリンピックのメインスタジアムでした。収容人数が7万人を越し、日本を代表する国際的な競技場として、高校サッカー、天皇杯のサッカー、大学ラグビー、ラグビー日本選手権など、スポーツの聖地として人気を博してきました。
2020年に二度目の東京オリンピックが予定され、現在の競技場に建て直されました。
隈研吾さんの『杜のスタジアム』というコンセプトに決まって、鉄骨と木材のコラボによる競技場が建設費1600億円でできました。地上5階地下2階、観客席は6万人です」
オリンピックその後
オリンピック、パラリンピックが終わった後、十分に活用されているかどうかが問題です。
北辻「確かにスポーツイベントに活用されていますが印象が薄いです。コンサートがあまりできていません。
無観客で嵐がやり、Adoさん、矢沢永吉さんがやりましたが、そのくらいです。
前の国立競技場は大物アーティストががんがんコンサートをやっています」
現在あまり活用されていない理由は何でしょうか?
北辻「新しい競技場のコンサートの数が激減しているのは騒音問題です。費用削減のために開閉式の屋根の設置をとりやめました。それで音漏れ問題が大きくクローズアップされて、なかなかできない」
騒音問題の解決
この騒音の問題で注目されるのが、今後運営主体となるNTTドコモの新しい技術だそうです。
北辻「今回も管理者である日本スポーツ振興センターに対して、NTTドコモは音を出さない遮音技術の提案とか、次世代の高速通信技術IOWNを提案しました。
これによって、大規模スポーツ大会に加えて、国内外のアーティストによるコンサートやフェスティバルをどんどんやりたいと提案しています」
NTTドコモが選ばれたのは、次世代の技術に対する期待が高かったのでは、と北辻委員。
そして全国各地の競技場で増加している通信業者の参入も背景にあるようです。
北辻「他のスタジアムと国立競技場を連動させた同時コンサートの構想もどうやら入っているみたいです」
民営化のスタート
北辻「あと今回注目されるのは、国が運営してくれるところには国費で年間10億円までは負担するといっていましたが、NTTドコモグループはお金は必要ないと。自分たちだけで採算をとると。その手ごたえがあるのでしょうね。
急いで作った競技場ですが、ある種、放置状態になっていたのは事実で、それを民営化によってフォローしていくという動きがいよいよ始まりました」
民営化によって国立競技場がどのように変わり、活用されていくのかに注目です。
(みず)
CBCラジオ #プラス!
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2024年06月18日07時17分~抜粋