大阪市で鳩などへの餌やりを続けていた人物に対して、大阪市は4月17日付けでおよそ1年間の餌やりの中止を命令しました。
鳩に限らず、野良猫などへの餌やりは各地でトラブルになりがちですが、こうした野生動物への餌やりはどのように規制されているのでしょうか?
5月9日放送の『CBCラジオ #プラス!』、「ニュースにプラス」のコーナーでは、「野生動物への餌やり」について、アディーレ法律事務所の正木裕美弁護士に話を伺いました。
餌やりを禁ずる法律はない?
大阪市住吉区のJR我孫子町駅や大阪メトロ長居駅の周辺では、少なくとも数年前から鳩やカラスに餌をやる行為が繰り返されていて、鳴き声や糞の被害が問題となっていました。
大阪市は餌やりを行う人物に対して、おととしから「動物愛護管理法」に基づいて餌やりの中止を求める指導や勧告を行ってきましたが改善されず、大阪市はこの人物に対し、4月23日から1年間、駅周辺のエリアなどで餌やりの中止を命令する行政処分を行いました。
そもそも、「野生動物に餌をあげてはいけない」という法律はありません。
しかし、餌付けによって周囲に糞尿が撒き散らされたり、ゴミあさりによる悪臭被害、鳴き声による騒音などさまざまな問題を引き起こします。
「動物愛護管理法」では、「野生動物に餌をあげることで周辺の生活環境が損なわれ、被害が発生したときには、必要な指導や勧告命令をすることができる」と定めているそうです。
大阪ではこの法律に基づく中止命令が出された、というわけです。
大阪市は餌やりを行う人物に対して、おととしから「動物愛護管理法」に基づいて餌やりの中止を求める指導や勧告を行ってきましたが改善されず、大阪市はこの人物に対し、4月23日から1年間、駅周辺のエリアなどで餌やりの中止を命令する行政処分を行いました。
そもそも、「野生動物に餌をあげてはいけない」という法律はありません。
しかし、餌付けによって周囲に糞尿が撒き散らされたり、ゴミあさりによる悪臭被害、鳴き声による騒音などさまざまな問題を引き起こします。
「動物愛護管理法」では、「野生動物に餌をあげることで周辺の生活環境が損なわれ、被害が発生したときには、必要な指導や勧告命令をすることができる」と定めているそうです。
大阪ではこの法律に基づく中止命令が出された、というわけです。
中止命令後も続く餌やり
この中止命令に従わない場合は刑事告発をされ、50万円以下の罰金が科される可能性があるそうです。
一般論で言えば「罰金化されて前科がつく」「金銭的な負担が生じる可能性がある」となると一定の抑止効果は認められると考えられますが、今回の事件は少々異なるようです。
この件は実は、10年以上前から調査がされてきたものでした。数年にわたって指導や勧告を重ねたものの改善が見られず、一部報道によると中止命令の後も場所を変えて餌やりは続いているといいます。
つまり今回の方に対しては、前科や罰金は効力がない可能性があるようです。
餌やりが動物の「命を助けている」という気持ちを生み、そしてこのことが「自分の支え」になってしまっている場合もあります。
簡単に止められない状況はここにあるのかもしれません。
一般論で言えば「罰金化されて前科がつく」「金銭的な負担が生じる可能性がある」となると一定の抑止効果は認められると考えられますが、今回の事件は少々異なるようです。
この件は実は、10年以上前から調査がされてきたものでした。数年にわたって指導や勧告を重ねたものの改善が見られず、一部報道によると中止命令の後も場所を変えて餌やりは続いているといいます。
つまり今回の方に対しては、前科や罰金は効力がない可能性があるようです。
餌やりが動物の「命を助けている」という気持ちを生み、そしてこのことが「自分の支え」になってしまっている場合もあります。
簡単に止められない状況はここにあるのかもしれません。
鳩をペットにできない理由
野良の状態は、法律的には「所有者がいない」、つまり「誰のものでもない」動物です。
この「誰のものでもない」動物を所有の意思を持って自分で管理をすることで、法律上は「自分のペット」という扱いになります。
しかし鳩は「捕獲して飼育してはいけない」という法律が別にあるため、鳩は勝手にペットにすることはできないそうです。
猫は飼い猫にしようと思って世話をすることによって、自分のペットにすることはできます。
ただ「餌をあげただけで勝手に居付いちゃった。ペットにするつもりはない」ということであれば、あくまでも「居付いただけの野良猫」という扱いです。
この「誰のものでもない」動物を所有の意思を持って自分で管理をすることで、法律上は「自分のペット」という扱いになります。
しかし鳩は「捕獲して飼育してはいけない」という法律が別にあるため、鳩は勝手にペットにすることはできないそうです。
猫は飼い猫にしようと思って世話をすることによって、自分のペットにすることはできます。
ただ「餌をあげただけで勝手に居付いちゃった。ペットにするつもりはない」ということであれば、あくまでも「居付いただけの野良猫」という扱いです。
飼い主の責任
法律でも「飼い主の責任」は定められていて、自分の飼っている動物が他人に何か損害を与えてしまった場合は、飼い主が賠償しなければなりません。
飼い主は、それだけの法的責任が生じるということ。命に対しての責任だけではなく、ペットがしたことの責任も負うということです。
動物の種類や性別、年齢、加害歴、飼い主の保管など、さまざまな事情を考慮して、「飼い主が十分に注意をしてれば責任を負わなくても良い」という規定もあります。
しかし裁判所はかなり厳格な判断をするため、飼い主の責任が認められないということはほぼないといっても過言ではないそうです。
飼い主は、それだけの法的責任が生じるということ。命に対しての責任だけではなく、ペットがしたことの責任も負うということです。
動物の種類や性別、年齢、加害歴、飼い主の保管など、さまざまな事情を考慮して、「飼い主が十分に注意をしてれば責任を負わなくても良い」という規定もあります。
しかし裁判所はかなり厳格な判断をするため、飼い主の責任が認められないということはほぼないといっても過言ではないそうです。
まずは自治体の相談窓口へ
自分が餌やりをしている動物の糞尿被害がひどくなり、周りの方がそれに悩まされ、生活環境が損なわれたということであれば、飼い主でなくても賠償責任を負うことになります。
一般的な餌やりであれば、コミュニティとして一定程度我慢すべきと判断されることもあるものの、被害がひどい場合には「餌やり禁止」という判決が出されることもあるそうです。
餌やりで困った場合には、まずは自治体の相談窓口に相談すること。名古屋市はホームページで「野生鳥獣等に関する相談Q&A」を公開しています。
ご近所トラブルはその後の生活環境が悪くなることもあるため、第三者である自治体を頼るのがベスト。
しかしトラブルが顕在化し損害賠償が発生するような場合は、もちろん弁護士に相談することも必要です。
一般的な餌やりであれば、コミュニティとして一定程度我慢すべきと判断されることもあるものの、被害がひどい場合には「餌やり禁止」という判決が出されることもあるそうです。
餌やりで困った場合には、まずは自治体の相談窓口に相談すること。名古屋市はホームページで「野生鳥獣等に関する相談Q&A」を公開しています。
ご近所トラブルはその後の生活環境が悪くなることもあるため、第三者である自治体を頼るのがベスト。
しかしトラブルが顕在化し損害賠償が発生するような場合は、もちろん弁護士に相談することも必要です。
人間のエゴで苦しむ動物
動物の命を助ける餌やりがNGとは言いづらいですが、安易な餌やりは優しさではなく生態系のバランスの崩壊や、近隣住民を含めたトラブルの原因にもなります。
特に鳩などの野生鳥獣は木の実を食べることで生きられるため、餌やりを禁止している自治体も多くあるそうです。
無責任な餌やりは、やはりするべきではありません。ルールを守って、節度と責任を持って行うことがとても大切です。
人間のエゴで数が増え、かえって動物が苦しむことになってしまいます。野生動物にはむしろ餌を与えない方が良いということに意識を向けることが大切というお話でした。
(minto)
特に鳩などの野生鳥獣は木の実を食べることで生きられるため、餌やりを禁止している自治体も多くあるそうです。
無責任な餌やりは、やはりするべきではありません。ルールを守って、節度と責任を持って行うことがとても大切です。
人間のエゴで数が増え、かえって動物が苦しむことになってしまいます。野生動物にはむしろ餌を与えない方が良いということに意識を向けることが大切というお話でした。
(minto)
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