CBCラジオ #プラス!

広く知られた会社の名前、なぜ変えるの?

5月1日から、大手居酒屋チェーンの鳥貴族ホールディングスが、エターナルホスピタリティグループに社名を変更しました。

実はここ数年、社名を変更する企業が急増しているそうです。その理由は何でしょうか?

1日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、その理由についてCBC論説室の石塚元章特別解説委員が説明しました。

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企業名を変更する目的

エターナルホスピタリティとは、直訳すると「永遠のおもてなし」。

鳥貴族は「トリキ」と略されて広く親しまれている名前なのに、逆にわかりにくくさせているような気もします。

店舗の名前自体は変わらず、経営している会社の名前が変わるということですが、今回の名称変更は、海外進出を視野に入れているためだそう。

実際に「Global YAKITORI Family」という新しいビジョンを打ち出しています。

日本語の名前だと伝わりにくいですし、「鳥で貴族ってどういう意味?」と思われるのかもしれません。

この会社の今の名前は?

長く親しまれた企業名が変更されるというのは、鳥貴族だけに限りません。
日本水産はニッスイに、日本電産からニデック、凸版印刷はTOPPANに変わっています。

「実は歴史を振り返ると、社名変更のブームは何回かある」と語る石塚。

例えば、現在のIHIが石川島播磨重工から変わったのは2007年。
現在の東レは1970年(昭和45年)に社名変更しましたが、その前は東洋レーヨンでした。

変わり種は全日本空輸(ANA)。略称が使われることが多いですが、ANAの前の会社名は何かご存知でしょうか?
ヒントはANAの航空コードにあり、「NH」の「N」は日本です。

永岡歩アナウンサーと三浦優奈が揃って、「H」を「飛行機」と答えましたが不正解。

答えは「日本ヘリコプター輸送」で、1952年(昭和27年)の設立当時は2機のヘリコプターで輸送を行なっていたのです。

名称変更には経済や社会が反映

社名を変更するパターンは大まかに分けると、まずは鳥貴族のように海外進出を考えたパターンがあります。
東京通信工業は現在のソニー、東京電気化学工業は現在のTDKです。

また、ホールディングス化による社名変更というのも、日本で増えてきたパターンです。

ちなみにこの番組を放送しているCBCラジオは、もともと中部日本放送という名前でしたが、持株会社の名前を中部日本放送にして、CBCテレビ、CBCラジオなど、別々の会社を作っています。

あとは長い名前を略すパターンで、東京芝浦電気は東芝、帝国人造絹絲は帝人です。

そして、ブランド名のほうが有名になったので、そちらを会社名に変えるパターンというのもあります。
例えば松下電器産業はパナソニック、富士重工業はSUBARU。

さらに創業当初から業態が多様化したために、社名と合わなくなって変えたパターンもあります。
オリンパス光学工業はカメラに限らなくなってきたため、現在は「光学工業」の文字を取っています。
また、福武書店は本だけを作っているわけではなくなったため、現在の社名はベネッセです。

最近、企業名が増えている理由の多くは海外進出が理由にあるようで、石塚は「お金がかかるけど、なぜ今なの?というのを見てくると、経済や社会が見えてくる」とまとめました。
(岡本)
 
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2024年05月01日07時22分~抜粋

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