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ハラスメントで町長が続々辞任…なぜ今さら起きてしまうのか?

4月24日、愛知県東郷町の井俣憲治町長は、複数のパワーハラスメント行為を行なっていたことを第三者委員会から認定され、辞職願を町議会議長へ提出しました。

また、岐阜県池田町の岡﨑和夫町長は、20年前から始まっていた女性職員らへのセクハラ行為が認定され、25日に辞職願を提出しました。

最近に限らないものではありますが、なぜ首長のハラスメント行為は今まで続いていたのでしょうか?

4月26日放送『CBCラジオ #プラス!』の「#プラスこれが言いたい!」では、「このニュースにまつわるおたよりに対して共感した」という山内彩加アナウンサーが、竹地祐治アナウンサーとともに自身の考えを述べました。

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令和になっても変わらない意識

「最近、自治体の長がパワハラで訴えられる事件が多くなったように思います。自分が言ったことは冗談だと思い込んでいると思いますが、人がどのように感じるかが大事。そのことに気づいてほしいです」(Aさん)

なぜ長い間ハラスメントが行われていたのか、その原因をニュースではよく「首長の認識不足」と報じられますが、山内は「そもそも認識不足って何だろう?」と疑問を呈しました。

山内「こんなに世の中でパワハラやセクハラは止めましょう(と言われている)。
私たちの会社でもパワーハラスメント防止のための動画を観たり、講座を受けたり、定期的に行っているじゃないですか。町長って、そういう研修は受けてるんですかね?」

ハラスメント防止の取り組み

この疑問に対し、竹地が回答しました。

竹地「自治体でどのように取り組みをしているのかということはあると思うんですけど、受けている人受けていない人っていうのがいる気がしますし。

あと今、自治体によってはハラスメント条例みたいなものをきちんと定めて、我が街ではこういうことが起こらないようにということで、戒めの意味も込めて法律に準ずるような条例を定めている所はあると思うんですけど、まだ少数ということなので。

今回の場合は全国ニュースということで(地元である東海地方の放送局としては)恥ずかしいんですけど、結局何もわからず人を傷つけていたという形になって。
セミナーを受講していれば、ということだったかもしれないですね」

町長ならではの事情

今回問題となった町の町長は、おそらく講習を受けられていないと思われます。

山内「町長こそ受けてほしいんですよ。マスト(必ず)で受けるってすれば、下の人たちも言いづらくないじゃないですか。
これがマストじゃないと思うから、パワハラ、セクハラを受けても『町長すみません、ちょっとセクハラ講座を受けていただいてもいいですか?』っていうのは言いづらくてたまらないと思うんですよね」

ここで竹地は、町長ならではの事情があると言います。

竹地「なかなか難しいですね。自治体のトップって結局、選挙で選ばれる。
そうすると、『俺は皆さんから選ばれたトップだ』ということになってしまう。

自治体のトップっていうのは、例えば市役所で一番偉い市長室みたいなとことに収まっていて、そこの中ではヒエラルキーみたいなものを描くと一番上にいますよね」

選挙で勝ったことで「自分はすべての住民から信任を得ている」と勘違いしてしまうのかもしれません。

防ぐための手立ては?

竹地「独任制っていいますけど、トップが自分で決められることが割と多かったりして、それに従わなきゃいけないっていう状況があったりする。
そのトップに注意ができるか。

本当は都道府県知事みたいな人たちが何某かを呼んでということができれば良いんですけど、お互い選ばれた人たちでダイレクトに指導するのは難しいしっていうのもありますね」

今回の問題について竹地は、首長の意識を変えるべきであり、自分を戒めるために第三者委員会を設置するなどのシステムを構築すべきとまとめました。

また、山内はあらためてハラスメント被害者の方々に対して、「言われた側、やられた側というのは昨日のことのように思い出すと思うので、本当にきちんとケアをしていただきたいと思います」と慮りました。
(岡本)
 
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2024年04月26日07時04分~抜粋

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