CBCラジオ #プラス!

キノコみたいなクラゲ?鶴岡・加茂水族館に「メキシカンマッシュルーム」が登場

山形県鶴岡市には、クラゲの展示数で世界一ともいわれる、見ているだけで癒されると人気の水族館「加茂水族館」があります。その加茂水族館で、新たにメキシコ湾に生息するクラゲ「メキシカンマッシュルーム」の展示が始まっています。

4月25日放送の『CBCラジオ #プラス!』では、鶴岡市立加茂水族館の飼育員、クラゲ担当の佐藤智佳さんに話を伺いました。

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80種類、1万600匹を展示

加茂水族館では、常時80種類前後のクラゲを展示しています。

体長2ミリほどのものから、傘の大きさが30センチを超えるようなものまで大小さまざま。

数は、直径5メートルの大きな水槽に入っているミズクラゲが約1万匹。

そのほかの種類を合わせると、1万600匹ほどだそうです。

中には1匹しか展示してない希少なクラゲもいるそう。

クラゲは実は肉食。とはいえ、もちろん肉にかぶりつくわけではなく、小さい動物性プランクトンが主です。

勝手に名付けた?

今回展示が始まった「メキシカンマッシュルーム」は、「実は加茂水族館が勝手につけた名前」と笑う佐藤さん。

英名では「マッシュルームキャップジェリー」「マッシュルームジェリー」と呼ばれているクラゲです。

「キノコのように見える、メキシコ湾にいるクラゲ」ということで、「メキシカンマッシュルーム」という名前を付けたといいます。

野生個体では傘の直径が30~50センチにもなるかなり大きなクラゲですが、展示中のものは7センチほどだとか。

佐藤さん「餌や環境を工夫して、できれば野生個体と同じようなサイズまで近づけたいですね」

裏には赤ちゃんクラゲもたくさん

「メキシカンマッシュルーム」は、エチゼンクラゲと同じ「根口クラゲ」というグループの一種。

乳白色か薄い茶色の傘の下に、赤茶色のモコモコした部分がついている、力強く泳ぐタイプのクラゲだそうです。

現在展示されているのは1~2匹。

裏には育成途中の赤ちゃんクラゲがたくさんいて、大きくなってから展示する予定とのことです。

通常は繁殖させたり、海で捕まえて展示することが多いそうですが、この「メキシカンマッシュルーム」は、クラゲが生まれる前の「ポリプ」という状態で海外の研究者と生物交換したものだそう。

みんなで応援「がんばれ!」

飼育条件が全くわからなかったため、野生個体が生息する地域の条件に合わせるなど試行錯誤を繰り返したものの、なかなか大きくならなかったり、途中で死んでしまったり。

佐藤さん「少しずつ条件を変えながら、ようやくここがいいところかな、というところにたどり着きました」

通常、クラゲの寿命は半年から長くても1年以内と短く、「メキシカンマッシュルーム」も同じくらいだと考えられているそうです。

ようやく常設展示まで来たものの、まだまだ不安が残るため「今よりもっと大きくできないか」ということを工夫しているそう。

佐藤さん「ちょっとでもエサを食べたりとか、少し大きくなったりしていると、みんなで『おーおおー!!がんばれ!!』っていう感じで一生懸命応援してます(笑)」

おすすめ鑑賞ポイント

クラゲはデリケートなので、生まれる数は多いものの、状態良く育つ個体は少ないそうです。

佐藤さん「寿命が短いので次の展示を考えなきゃいけないとか、次々育てていくという形も大変だったりします」

クラゲがきれいに泳ぐ状態や、水流の工夫次第で長くきれいに伸びる糸のような触手も見てほしい部分ではあるそうですが、佐藤さんがおすすめするクラゲの鑑賞ポイントは「近づくこと」。

佐藤さん「裏側や、筋肉のつき方などの細かいところも見ていただきたいと思っています」

飼育員さんならではの視点です。

加茂水族館に仲間入りした「メキシカンマッシュルーム」、ぜひ見に行ってみたいものです。
(minto)
 
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2024年04月25日07時39分~抜粋

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