CBCラジオ #プラス!

勤務時間は1日1時間でもOK 。超短時間雇用とはナニ?

「確かな情報」と「元気な声」を届ける新番組『CBCラジオ #プラス!』が、4月1日より始まりました。

2日は光山雄一朗アナウンサーが「ニュースにプラス」のコーナーで、気になるニュース・話題をひも解きます。

この日のテーマは「勤務時間は1日1時間でもOK 。超短時間雇用とは?」。コメンテーターはCBC論説室の北辻利寿特別解説委員です。

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超短時間雇用とは?

勤務時間は1日1時間でも週1日でもOK…そんな超短時間雇用と呼ばれる働き方が岐阜市で広がっています。
障がいや難病などが理由で長時間の労働が厳しい人たちが、それぞれの得意分野を活かして、その人らしく働ける取り組みです。

いったいどんな仕事をしているのでしょうか?そもそもどうして岐阜市でこのような取り組みが行われているのでしょうか?光山が尋ねます。

北辻「フルタイムで働くのは難しいけど、働きたいという勤労意欲を持つ障がいのある方と、短い時間でいいから労働力が欲しいという企業をマッチングするというシステムです。

もともと東京大学の先端科学技術研究センターの近藤武夫さんという教授が発案したもので、1日15分くらい短くてもいいという仕組みです」

時間より仕事内容

超短時間雇用はどのようなきっかけで生まれたのですか?

北辻「人口減少とか高齢化社会が進んでいて労働力が少なくなっています。

その反面、アメリカやヨーロッパはまず従業員の仕事内容を決めた上で雇用している。
ところが、日本は『週40時間雇うからしっかり働いてね』と仕事内容をあまり言いません。まず長時間働くことが前提で、その上で仕事内容を言われるので、基本なんでもやれよみたいな感じがあります。それは障がいのある方にとってはハードルが高いです。

これならできるけど、これはできないということがあるので、そのあたりを是正してマッチングさせようとする狙いです」

自治体の導入増加

いつごろから行われているのでしょうか?

北辻「近藤教授が導入したのが8年前。神奈川県の川崎市が全国で初めてで、あと兵庫県神戸市、東京都渋谷区にも広がり、岐阜県岐阜市も入ってきて、現在6つの自治体が導入しています。
岐阜市の場合はワークダイバーシティ、多様で柔軟な働き方を企業全体に呼びかけています。その一環として『すべての人に働く場所を』と岐阜市は言っているので、これはいい制度だと取り入れました。

岐阜市は2年前の4月に、超短時間ワーク応援センターという、これをバックアップするセンターも作りました」

どんな仕事内容?

具体的な仕事内容はどんなものでしょうか?

北辻「例えば、高齢者の施設で洗濯干し、たたむ、食器の片付け。ホテルでシーツを剥がす。飲食店で玉ねぎのみじん切り、フライの衣付け。市役所でペットボトルのラベル剥がし。限定して、それだけをやってもらいます。

各職場で絶対必要な仕事です。専門スタッフの人手をかけるのはどうかなと思うけど、誰かがやってくれるとすごく助かる。それを障がいのある方にやってもらいます。
今までだと雇う側が障がいのある方に任せられる仕事は何か探すと、どうしても義務が先に立つ。

このシステムのいいところは、発想を転換して、企業側が無理に仕事を作り出すのではなく、ここをフォローしてもらうと助かるというところを見つけてやってもらうことです」

ともに働くには

今後このような働き方が増えていくと予想する北辻委員。

北辻「課題は、雇用が始まってから、『話が違う』ということにならないとは言えません。
大事なことは事前の説明と同意。まず見学会とか体験受け入れなどをやって両者が納得した上でスタートすることが大事です。

岐阜市は障がい福祉課が窓口です。が、いろんな部署が関わっています。縦割りでなくてコミュニケーションが大事です」

障がいのある人を“助けるという存在”ではなく、“ともに働く存在”だという考え方が一番大事です。
(みず)
 
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2024年04月02日07時17分~抜粋

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