大石邦彦のNOW ON SHARE!

愛知県豊田市でマダニ媒介の感染症により2名死亡!気になる感染予防策

愛知県豊田市で、マダニが媒介するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)にかかり、50代の女性と90代の男性が相次いで亡くなりました。

SFTSに対する感染予防策はあるのでしょうか?

6月28日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが、SFTSとその予防策について解説します。

[この番組の画像一覧を見る]

熱中症と誤認の可能性も

放送エリアである愛知県豊田市で、マダニによる感染症で2名が相次いで亡くなりました。
果たして対策はあるのでしょうか?

屋内に生息するイエダニと同じダニの一種であるマダニ。
山の中や庭、畑など身近な場所に生息し、待ち伏せして近くを通った動物にくっつきます。
マダニの体長は2ミリから3ミリと非常に小さく、見つけづらくなっています。

SFTSはウイルスを保有するマダニに刺されることで発症します。症状は、発熱、倦怠感、嘔吐、下痢、腹痛です。
これらの症状は、熱中症の症状と結構似ているのが厄介です。

大石「これはわかりづらい。熱中症じゃないか?って最初に思ってしまいがちですよね」

肌の露出を徹底的に減らすことが予防に

SFTSは、2013年に初めて患者が確認された比較的新しい感染症ですが、感染者は毎年100人以上とのこと。
そのうち9割は60歳以上の高齢者で、重症化しやすく、致死率は27%と高いです。

大石が愛知県豊田市で2名が亡くなった経緯を調べたところ、どちらの方も症状が出て数日で入院後、10日ほど経ってから亡くなっています。

大石「ここの経緯は一緒です。ただ、原因を探っていったときにちょっと違うわけですね」

50代の女性は除草作業をしていました。
一方、90代の男性は草むらに入っていませんでした。

男性の感染経路について「動物経由なのか、それとも違う経路なのか、非常に気になるところ」と大石。

対策は

大石によれば、SFTSの予防法は「肌の露出を徹底的に減らすこと」。

具体的には、ハイキングのときに帽子をかぶったり、長袖・長ズボンや手袋をつけることです。
地べたにそのまま座ったり、寝転んだりするのではなく、なるべく敷物を使うのが良いそう。町中の公園に行くときも油断せず、長袖・長ズボンで行くのがいいそうです。

さらに、虫除けスプレー、特にダニ用の虫除けスプレーも有効です。

大石「ダニに直接効くということです」

治療薬は…抗ウイルス薬のアビガン

しっかり予防したのに、それでもマダニに刺されてしまった場合、どうすればよいのでしょうか?

感染症の専門家である三鴨廣繁医師(愛知医科大学)によると「マダニに刺された自覚がある場合はすぐに医療機関に行ってください」とのこと。
なぜなら患部を掻くと、そこからマダニの身体の一部が広がってしまう危険性があるためです。

一方SFTSに対する治療薬はないのでしょうか?
治療薬としては、新型コロナウイルスの治療薬としても話題になった、抗ウイルス薬のアビガンがあり、処方する医療機関もあるようです。

ただし、三鴨医師によると「アビガンは万能かと言うと、そうでもない」そう。
やはりマダニに刺されないよう予防することに発想を変えていった方がよい、とのことでした。
最後に「SFTS の知識を持った上で正しく恐れましょう」と呼びかける大石でした。
(nachtm)
 
大石邦彦のNOW ON SHARE!
この記事をで聴く

2025年06月28日11時43分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報

×