12月から現行の保険証が廃止になり、「マイナ保険証」へ原則一本化されます。
ところが、マイナ保険証の利用実績は低いままなのが現状です。
マイナ保険証が未だ浸透していないのには、どのような理由があるのでしょうか?
10月12日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーがマイナ保険証について解説します。
利用実績はわずか12%
現行の保険証が廃止されるまで、残すところおよそ50日となりました。
石破首相が総裁選中に「現行の保険証との併用もあり得る」と発言していたことを思い返す大石。
ところが一転、今までの保険証は予定通り使えなくなりそうです。
大石「総理になって出来ることと、出来ないことがある。今さらながら実感してしまいました」
現行の保険証は12月2日に廃止され、新規に発行されなくなります。
大石「どのくらいの人が利用しているのか?」
現在、マイナンバーカードを持っている人は8割。人口でいうと、約1億人程度です。
マイナポイント欲しさに加入が進んだのではないか、と推測する大石。
さらにマイナンバーカードを保険証に紐づけている人は64%で、約8千万人になります。
大石「多いですよね。そんなに?と思いました」
にもかかわらず、今年8月時点での「マイナ保険証」の利用実績はわずか12%にとどまっています。
大石「使える状態なのに利用が全然進んでいない。やっぱりマイナンバーカード、マイナ保険証に対する不安があるようなんです」
カードリーダーの起動時間に18分
全国の開業医10万人以上が加盟している全国保険医団体連合会。
連合会が実施したアンケート調査の結果によると、7割の医療機関で今なおトラブルが起きていることがわかりました。
連合会は「(担当大臣が)『不安払拭の措置を取った』と説明したものの、医療現場ではトラブルが多発しており、不安払拭にはほど遠く、メリット以前の問題である」と報告しています。
大石「医療機関の集合体ですから。現場でトラブルが起きているのでメリットは感じませんよ、と言っているわけですよ」
具体的にどんなトラブルが起きているのでしょうか?
本人確認は顔認証、あるいは暗証番号で行われますが、このステップで認証が出来ないトラブルや、暗証番号を忘れてしまうケースがあるようです。
また、コンピュータに接続されたカードリーダーを立ち上げるまでに10-15分、長い場合は15-30分もかかるそうです。
大石がストップウォッチで測った際も「18分」かかっていました。
立ち上がりが遅れると窓口業務がストップし、システムがダウンすると患者を待たせることも多いそうです。
常用漢字を読み取らない
他には、カードリーダーがなぜか常用漢字を読み取らないトラブルも。
大石「そんなことある?と思うんですけど。多発しているんですって」
「迅速・簡単・便利」の合言葉とは裏腹に手間のかかるマイナ保険証。
先の調査結果によると、「12月に保険証が廃止される」ことに関しては「賛成」8.6%に対し、「延期すべき」14%、「保険証を残すべき」76.9%でした。
大石「『保険証を残すべき』と思っている医療機関が8割近いという実態が明らかに。本当にこのまま進んで良いのか?」
では、今後どうすればよいのでしょうか?
現在使用している保険証の有効期限をまず調べることを勧める大石。
その上で、マイナ保険証に切り替えたくない方は、保険証の代わりに資格確認書を使い続けることもできるようです。
トラブルがなく、使い勝手が良いように政府が対応することを願う大石でした。
(nachtm)
大石邦彦のNOW ON SHARE!
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2024年10月12日11時43分~抜粋