大石邦彦のNOW ON SHARE!

「紅麹サプリメント」によって死亡事案が発生。その原因は?

小林製薬の紅麹サプリメントを使用した方が腎臓の病気を患い、死亡する事案が発生しました。
原因はいったい何だったのでしょうか?
3月30日放送の『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが紅麹サプリメントの問題について解説します。

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入院100人・相談件数3000件

小林製薬の紅麹サプリメントを使用した方が腎臓の病気などを発症し相次いで入院、死亡する事案が発生しました。

自主回収や販売中止にする動きも出ており、「食品に関して改めて気をつける必要がある」と大石。

問題になっているのは「紅麹コレステヘルプ」。
パッケージには『悪玉コレステロールを下げる』と明記され、記者会見も行われました。

主な症状としては、むくみ、倦怠感、腎疾患、腎機能障害など。
これまでに入院は100人を超え、相談件数も3000件に達しています。

昔から中国・日本・台湾などで食品などに使用されてきた麹の一種・紅麹。
米などの穀物に、カビの一種である紅麹を繁殖させて作ります。
天然の赤い着色が人気で、紹興酒などの原料や紅生姜にも使われているそうです。

大石「あの色が大きな特徴なんですね」

紅麹にはモナコリンKという成分が含まれており、コレステロールを抑える働きがあるそうです。

製造過程で異物が混入した?

大石「原因はいったい何なのか?」

医師や専門家を今回取材した大石。紅麹原料が製造・販売されたのは2016年ですが、2019年まで健康被害の報告はありませんでした。
紅麹原料を元にした商品で起きたわけではないため、紅麹の製造過程で問題があったわけではないと見られます。

健康被害の報告が集中しているのは、今年です。

つまり、ここ2、3年の間で「紅麹コレステヘルプ」の製造過程に何かあったと考えるのが自然です。

大石「紅麹原料とは関係なさそう。紅麹が問題ではない、ということです」

サプリメントの製造段階で、外的要因が加わったのではないか、と専門家は見ています。

名古屋市立大学大学院の中川秀彦教授(薬学研究科)が疑うのは、製造段階での異物混入。
ひとつは、混入した異物そのものが身体に悪影響を及ぼした可能性。
もうひとつは、紅麹菌と混入した異物がかけ合わさって、毒性のある物質が生じた可能性。
原因はいずれかではないか、と考えているそうです。

また、サプリメントは濃縮した形で加工して摂取されます。
よって、「サプリメント」という形態が被害を生んでいるのではないかとも見ています。

大石「濃縮しているから効果が出やすいわけですよ」

懸念されるサプリメントの安全性

1日2-3回、毎日継続で使用されるサプリメント。

大石「皆さん、これがだいたいルーティンかと思いますけども」

継続摂取すると、摂取制限を超えやすくしてしまう可能性があります。

また、今回の紅麹サプリは「機能性表示食品」に分類されます。
その名の通り、あくまでも「食品」であり、医薬品ほど管理が厳密ではありません。
したがって、異物混入の恐れもあると大石。

消費者庁長官の許可が必要な「特定保健用食品(トクホ)」に対し、事業者の責任で科学的根拠にもとづいた「機能性表示食品」。

大石「機能性食品は事業者の責任に基づいて販売している。ここが大きく違うところ」

一事業者だけの問題か、それとも「機能性表示食品」全般の問題か、その辺りのあり方も含めて今後議論が必要になると大石は指摘します。

紅麹サプリに限らず、健康ブームのなかで、サプリメントの服用者も少なくない時代。
ですが、食品はそもそも安全でなければ、安心は望めません。
原因特定を急ぎ、情報共有の徹底を願う大石でした。
(nachtm)
 
大石邦彦のNOW ON SHARE!
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2024年03月30日11時44分~抜粋

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