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岐南町長が「99のセクハラ」で辞職!ハラスメントの境界線とは?

2月29日、岐阜県岐南町の小島英雄町長が、職員へのセクハラ疑惑で町議会議長に3月5日付けの辞職届を提出しました。
小島町長の行為のうち、実に99件がセクハラと認定されたそうです。

3月2日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが、岐南町長のセクハラ疑惑について解説します。

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99のセクハラ行為

第三者委員会による調査の結果、小島町長の行為のうち99件がセクハラに認定されたのは、「頭やお尻、手を触る」「背後から抱きつく」「食事に誘う」などです。
どうして町長のこうした言動が許されていたのでしょうか?

人口2万5千人余りの岐南町は、岐阜県内で二番目に面積が小さい町で、岐阜市のベッドタウンとして知られています。

2020年11月に就任した小島町長は「遅咲きの町長」と大石。
昨年5月に疑惑が報じられ、職員161人に対して第三者委員会によるアンケートや聴き取りなどの調査が行われました。
そして調査の結果、浮かび上がったのが驚愕のセクハラの実態でした。

大石「これ、びっくりましたね。セクハラと見られる行為、99もあったのかと」

セクハラ行為がほぼ日常茶飯事で行われていたことがわかります。

「頭ポンポン」はセクハラか否か?

大石が直撃したところ、小島町長はまだ全部の行為をチェックしきれておらず、記憶が曖昧なものもありました。

中には事実と認めるものの、「セクハラだと思っていなかった」という行為8つが含まれています。

そのうち、大石が取り上げたのは「頭をポンポンと触られた」という行為。

頭を触られたシチュエーションとしては、町長室で打ち合わせ中の職員が「大変やな」と町長に声をかけられた時。
土日出勤をしていた職員が「お疲れさん」と町長に声をかけられた時。
ワクチン接種会場で持ち場にいる職員が 「頑張れよ」と町長に声をかけられた時、などでした。

大石「この町長は頭ポンポンが好きなんですね」

また、ある職員のケースでは、上司と一緒に町長室に入り、用件が終わるとなぜか上司だけが退室。
その後、町長の二人きりの雑談の際に「頭をポンポンと触られた」といいます。

一連の言動について、「僕らの時代は頑張った子の頭を撫でたものだ」と町長は弁解します。
「確かにそういう時代はあったのでしょう」と理解を示す大石ですが、「ただ、これはこどもに対して行う行為ではないか」と続けます。

大石「こどもと大人は違うよね」

「合理的な理由」の有無

ミッレ・フォーリエ法律事務所の堀江弁護士に法的な見解を伺ったところ、「身体的接触を行う場合、そこに合理的な理由があるかどうかが判断基準になる」のだそうです。

大石「弁護士らしいですね。合理的な理由」

「合理的な理由」とは、具体的にどんなことでしょうか?
例えば女性が倒れたとして、放っておけば心肺停止になってしまうような緊急の場合がそれにあたるそうです。

つまり、一連の行為にはほとんど「合理的な理由」がないとのこと。
小島町長の「頭ポンポン」のケースは、「セクハラともとれるし、セクハラともとれない」と口を濁します。

ただ、仮に町長が男性職員にはその行為を行っておらず、特定の女性にばかり行っていた場合は「セクハラと認定される可能性がある」と堀江弁護士。

大石「セクハラの境界線ってなかなか難しいんだなと改めて感じました」

予算や人事を決める権限を持つ町長。

大石「だからこそ、自治体トップに必要なものは『謙虚さ・自制心・品格』。この3つだと思うんですよね」

皆さんもセクハラ・パワハラには厳しい目を向けましょう、と注意喚起を促す大石でした。
(nachtm)
 
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2024年03月02日11時44分~抜粋

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