大石邦彦のNOW ON SHARE!

増える災害関連死。巨大地震発生時の避難を考えておこう

最大震度7を観測した元日の能登半島地震から3週間経過した今なお、被災者の方々は避難所生活が続いており、「災害関連死」が問題視されています。

そしてこの数年、太平洋側でも南海トラフ地震の発生が懸念されています。

1月20日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが、南海トラフ地震発生時の避難について解説します。

[この番組の画像一覧を見る]

避難所からの二次避難が課題に

能登半島地震の被災地には支援物資が順次届いているようですが、未だに断水が続いているため、生活用水が足りないことが最大の悩みとなっています。

大石「日本列島、いつどこで、また大きい地震が起きてもおかしくない状況ですからね」

避難所では体調を崩す方も出てきており、「災害関連死」が懸念されています。

かたや東海地方でも、南海トラフ地震の発生が想定されています。
巨大地震が起こった時の適切な避難について大石が考えていきます。

まず大地震が起きた場合、地域ごとに指定されている避難所、学校、公民館に避難することとされています。

大石「そこまではいいんです。そこからです」

地元が壊滅的な被害を受けた場合、避難所にはたくさんの人が集中します。
よって、次にどこに避難するかが重要になります。

大石「集団避難、二次避難を考えなくてはいけないんですね」

二次避難がなかなか進まない理由は?

能登半島地震の被災地では、被害を受けていない地域のホテルや旅館などに避難するかどうか、いま被災者に選択が迫られています。

こうした「二次避難」がなかなか進まない理由として、「家が心配」「この場を離れたくない」「家族と別れたくない」など、被災者の方のさまざまな心情が背後にあるようです。

二次避難の難しさについて、国民民主党の古川元久衆議院議員に取材した大石。
古川議員は2011年の東日本大震災の際の対応を振り返り「当時も二次避難が難しかった」と振り返ります。

近隣の自治体の受け入れ態勢が整った後、「ここより条件の良いところに避難しませんか?」と提案しても、地元住民の方は手を挙げなかったそうです。
その理由は「故郷を離れたくない」「地元の人と別れたくない」「自分だけ離れるとは言いにくい」というものでした。

地元のコミュニティが強固だったとも言えますが、いずれにしても二次避難は周囲が思うほど簡単ではないようです。

直接死の4倍以上に及ぶ「災害関連死」

いま懸念されているのは、避難生活で病気や体調不良など、間接的な原因で亡くなる「災害関連死」。

熊本地震では全体の死者273人のうち、圧死などの直接死で亡くなった方(50人)の4倍以上の223人が「災害関連死」で命を落としています。

大石「いかに避難所の生活が身体に影響を与えるかを物語ってますよね」

持病のある方などは、慣れない避難所のストレスで体調を悪化させたのではないか、と見られています。

一方、東日本大震災では仮設住宅暮らしを強いられていたものの、災害関連死の方の割合自体は少なかったと指摘する大石。
その理由とされるのは、近所の人たちと一緒だったこと。
非常事態においても、日常に近い安心感が得られていたと考えられています。

そのためにも、特に高齢者の方にとって大切になるのは集団避難。
二次避難ではご自身の命を守って欲しいと願う大石。

大石「被災された方はいろいろ悩んでいると思いますが、僕は命を最優先してほしいですね」

心配事は数あれど、命があれば変わってきますから、と呼びかける大石でした。
(nachtm)
 
大石邦彦のNOW ON SHARE!
この記事をで聴く

2024年01月20日11時43分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報