大石邦彦のNOW ON SHARE!

能登半島地震の被害が広範囲に及んだ理由とは?

月1日午後4時10分ごろ、石川県能登半島で最大震度7の揺れを観測する地震が起きました。
建物倒壊・津波・地割れ・火事など、数多くの被害に見舞われました。
被災者の方々は避難所生活を余儀なくされ、多くの集落では今なお孤立状態が続いています。

1月13日放送の『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが能登半島地震の状況(1月11日時点)について解説しました。

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想定されるあらゆる被害

能登半島地震による被災者は2万6千人以上、犠牲者は200人以上となっており、まだ全貌が明らかになっていません。

また余震は減少傾向にはあるものの、未だ油断はできない状況です。

地震のマグニチュードは7.6で、震源の深さは16キロ。
マグニチュード7.3を記録した1995年の阪神淡路大震災より規模の大きな地震でした。

今回の地震は津波がすぐに到達したのが特徴で、第一波到達は地震発生と同じ午後4時10分。

大石「タイムラグないんですよ」

実は震度7の地震のわずか4分前に、震度5強の地震があったため、こちらの地震による津波だった可能性も考えられています。

「今回の地震では、想定されるあらゆる被害が出た」と大石。

まず、揺れにより古い木造家屋を中心に倒壊し、圧死した方が多数いました。
阪神淡路大震災の時も8割の方が圧死で亡くなっていたと大石。

また、揺れによる路面の隆起、地割れ、土砂崩れにより、沿岸部の道路が完全に土砂に覆われていました。
液状化により泥が吹き出し、道路の寸断も起きました。
地震から約10日が経過した今なお、20以上の集落が孤立した状態となっています。

大石「助けに行きたくても行けない状況が続いてしまった」

元日の発生で被害が拡大

地震か津波の一方だけでなく、いずれの被害も大きく、さらにまた、輪島の朝市通りでは激しい火事も発生しました。
あらゆることが能登半島地震で起きていたと大石。

大石「地震の強さを改めて目の当たりにさせられましたね」

2つ目のポイントは、元日に発生したことで、帰省していた方も多く、被災者が増えたこと。

被害が大きかった珠洲市は人口1万2千人の街ですが、帰省シーズンで人も増えていました。
またお正月シーズンは病院にキャパシティもなく、医療スタッフが足りない時期を直撃したことも痛手でした。

他の地域に救援要請するも、道路の寸断でままならず。医療・救護の人員だけでなく、自衛隊や消防、メディアの休みの時期とも重なりました。

大石「なかなか初動対応が難しかった」

地震発生の時間帯によって被害の大きさも変わってくる、と注意を促す大石。

ストレスと災害関連死

3つ目のポイントは「災害関連死」。避難生活で病気や体調不良など、間接的な原因で亡くなる人が増えることがいま問題視されています。
災害関連死と見られるのは、東日本大震災では1263人、熊本地震では218人ですが、今回の能登半島地震でも11日時点ですでに8人いると見られます。

大石「それだけ多くの方が避難所生活を強いられている」

災害関連死は60歳以上の方が9割以上と高齢者に多く、発災から3ヶ月以内に亡くなる方が8割となっています。
地震のショックや、発生以降1000回以上続く余震の恐怖、慣れない避難所生活のストレスなどによって、肉体的にも精神的にも蝕まれていくことが原因です。

また、密な避難所ではコロナやインフルエンザの感染にも気をつける必要があります。
糖尿病、高血圧、心筋梗塞、脳卒中など持病のある方はリスクも増すため、みなし避難所を速やかに設置する対策が必要です。

避難所生活はまだまだ続くため、息の長い支援ができる体制を整えなければいけない、と呼びかける大石でした。
(nachtm)
 
大石邦彦のNOW ON SHARE!
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2024年01月13日11時42分~抜粋

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