大石邦彦のNOW ON SHARE!

政界で何が起きているのか?パーティー券の「裏金問題」

自民党安倍派の政治資金パーティーにおける「キックバック」をめぐる問題が世間を騒がせています。
政界でいったい何が起こっているのでしょうか?

12月16日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーがこの問題について解説します。

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違法性があるケースとは?

自民党安倍派の政治資金パーティーでは、パーティー券で得たノルマ超過分を収支報告書に記載しなかったことから、裏金問題に発展しており、政界への信頼を揺るがす事態になっています。

そもそも政治資金パーティーとは、その名の通り、政治家や派閥などが政治活動に必要な資金を集めるための有料イベント。パーティー券はおよそ1枚2万円と言われています。
この1枚2万円を高いと見るか、安いと見るか。

大石「そんなにいい料理は出ないですね」

参加費に見合わず、唐揚げが多いと言う大石。その代わり、政治家と直接話ができるため、ファンサービスのような面もあるようです。

政治資金の大きな割合を占めているこのパーティーですが…

大石「ただ、キックバック自体には違法性はないんですね。これは別に法律違反というわけではありません」

しかしそのことを収支報告書に記載したかどうかが問題です。

大石「ちゃんと書いていれば問題ないんです。『でも書いてない人が結構いるよね』『それを裏金にしてたんじゃないの?』というのが今回の問題なんですね」

政治家生命を断たれることも

では、収支報告書に記載しなかった場合、どれくらいの罪になるのでしょうか?

2022年、ある元衆議院議員が4千万円を記載しなかったため、政治資金規正法の罪に問われました。
その結果、議員辞職に罰金100万円、さらに公民権停止となりました。

大石「3年間立候補できなくなるわけですね。つまりこれは、政治家生命をも断たれてしまうというものなんです」

現在、今回の疑惑については東京地検特捜部が捜査している段階。
いくらから法律違反になるのかの線引きが、未だ見えないところがあるようです。

パーティー券を販売する時のノルマは、ある派閥によると、125枚。「1枚2万円なので、125枚も売るのはかなり大変」と大石。
知人を中心に回って、どうにか捌けるレベルだそう。

ちなみに今回疑惑が上がっている中には、5年間で5千万円の収支報告書を記載していなかったケースもあります。

大石「ノルマ超過分だけで500枚。パーティー券500枚を捌くのは本当に大変かと思いますけどね」

何かとお金のかかる政治活動

そもそも、政治活動にはなぜお金がかかるのでしょうか?

まず事務所を作り維持するのに、人件費・光熱費・街宣車などの宣伝事業費がかかります。
また、香典、卒業式・入学式の電報など、何かと物入りだそうです。
いまの時期は忘年会・新年会の会費として、国会議員もだいたい1万円払うようです。

大石「取材した国会議員は『新年会と忘年会で100万くらい出費がある』と言ってました。こういうお金をまず減らしていきませんか?と言いたいですね」

とはいえ、電報を送らないようにすると、「あいつは新人の頃は電報を送ったのに、偉くなったもんだな」と思われたりすることもあるそう。
結局のところ、大事なことは政治家同士だけでなく、有権者側の意識も「政治家に求めないこと」と大石。

一方で、顔を出さないと票に結びつかないのが政治家の宿命で、このあたりがジレンマになっているようです。

現在多くの議員は国会が閉会して地元に帰っていますが、安倍派の議員に対しては今も捜査が行われています。
「誰がどんな指示をしたのか?」が今後の捜査のポイントになると見る大石でした。
(nachtm)
 
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2023年12月16日11時43分~抜粋

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