大石邦彦のNOW ON SHARE!

「大麻グミ」を食べて救急搬送!入っていた成分は何か?

今月3日、東京・墨田区の東京メトロ押上駅で男女4人が電車内で体調不良になり、病院に搬送されました。
さらに翌4日には、東京・小金井市で開かれたイベントで男女5人が体調不良を訴えて搬送される騒ぎに。

共通点はグミを食べて気分が悪くなったという点。警視庁はいずれのグミにも大麻由来の成分が含まれていた可能性を示唆しました。

11月25日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが世間に衝撃を与えた「大麻グミ」について解説します。

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人気のグミにまさかの大麻が

大石「大麻という名前と、身近で最近人気のグミ。これが一緒になっちゃった。何?って思った方は多いと思います」

グミから検出された成分は「HHCH」という大麻に似た合成化合物でした。厚生労働省が指定薬物に追加し、12月から購入・所持・使用などが禁じられます。

ちなみに、実際の大麻に含まれている合法の物質は「CBD」。リラックス効果があり、医療用の医薬品に活用しようとする動きもあります。

一方、大麻には違法物質は「THC」が含まれており、幻覚作用があるため所持が禁止されています。
グミに含まれていたHHCHは、このTHCに似せて作られたものでした。

大石「ややこしいな、これ」

指定薬物の数は2千種類以上

そもそも、指定薬物となる基準は何なのでしょうか?

厚労省に問い合わせてみたところ、実は明確な基準はないそうです。
健康被害が出てから成分を調べ、結果として指定薬物に指定されるのだそう。

大石「先手を打って指定するのではなく、後手後手の中で指定されていく」

他に、海外で規制されているものが輸入されると、指定されるケースもあるようです。
指定薬物になると、医療用途以外での製造・輸入・販売・所持・使用が禁止されます。

では、指定薬物にはどれくらいの種類があるのでしょうか?
今回のHHCHは2,432種類目、今年指定されたものに限ると19種類目だそう。

大石「どんどん指定されている、っていうのが現状なんですね」

構造式をちょっと変えるだけで、無数にできる合成化合物。
理系で化学を学んだ方なら、簡単に作れてしまう恐ろしさがあります。
ただ、厚労省によると有用性がある場合もあるため、幅広く禁止にはできないようです。

覚醒剤に依存する入り口に

大石「でもねぇ、これ、本当恐いんですよ」

大麻に似た成分は、人体にどのような影響をもたらすのでしょうか?

THCは「中枢神経に影響を与える」と大石。
知覚、時間・空間の歪み、学習能力の低下(短期的な記憶が飛ぶことがある)、運動失調(瞬時の反応が遅くなる)、精神障害(うつ病などを発症しやすくなる)、IQの低下(計算能力や判断力が鈍くなる)など、その影響はさまざまです。

有害な化合物を摂取する影響は、このようにすでに明らかになっています。
ところが今回の場合、未知の症状が出る可能性もあるようです。

専門家によると、通常の化合物は動物などで何度も安全性が確認されていますが、確認が全く取れていないHHCHのような合成化合物は大変危険だといいます。

大石「未知の症状が生まれてもおかしくない。これを考えると、いかに危険か」

大麻は覚醒剤に依存する入り口になるとの指摘があり、「ゲートウェイドラッグ」とも呼ばれています。
つまり、一度摂取してしまうと、深刻な薬物依存になる恐れがあるのです。

大石「大麻グミはその入り口を開けてしまう。最初の扉を絶対に開けないようにしてほしい」

見た目や名前で買う人を惹きつけ、誘導する今回のような商品。興味を持ったとしても口に入れることは大変危険な行為です。
「リスクや健康被害を真剣に考えてほしい」と呼びかける大石でした。
(nachtm)
 
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2023年11月25日11時42分~抜粋

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