大石邦彦のNOW ON SHARE!

愛知県東郷町長のパワハラ・セクハラ問題。どんな認識だったのか?

愛知県東郷町長が職員に対してパワハラ・セクハラにあたる言動があったことが問題になっています。
町長はどういった経緯でそのような不適切な発言をしていたのでしょうか?

11月18日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが東郷町長のパワハラ・セクハラ問題に切り込みます。

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内部アンケート調査は驚きの結果に

愛知県東郷町の井俣憲治町長が職員に対し、パワーハラスメントにあたる発言をしていたことがわかりました。
1時間40分以上に及んだ16日の会見で、町長は「認識が甘かった」と謝罪しています。

井俣町長に直撃取材を試みた大石。

事の起こりは、ある職員でした。
会議の中で部下が町長から「最上級のアンポンタン野郎」と罵られた場面を見ていたことでした。
職員は気分を害し、副町長に訴えましたが、8ヶ月以上経っても何も変化はなかったそう。

そこで個人でアンケート調査をとったところ、72人のうち、半数を超える職員から「パワハラを受けた」「パワハラを目撃した」との回答がありました。
その後、別の職員から音声の提供があり、テレビでも報じられ、騒動に至りました。

大石「終始私は感じたんですが、職員とは普段からジョークや冗談、軽口を言い合ってたというか…町長が『言っていた』そうです。
その延長線上で出たいくつかの言葉が、パワハラと受け取られたのではないか」

要するに、日常会話の延長線、というのが町長の言い分のようです。

パワハラとセクハラの違いは?

とはいえ、取り沙汰された町長のパワハラ発言は「おまえら殺すぞ」「死ね」「本当に頭が悪いな」「三流大学以下のやつばかり」など、聞き苦しいものばかり。

また、セクハラ発言もわかっており、具体例としては「いつ巨乳になって帰ってくるの?」「彼氏はいるのか?」。
さらに、着ぐるみを着た女性職員に抱きつくという問題行動もあったようです。

これらの字面や行為だけをみると、何の言い逃れもできない歴然としたハラスメントにあたりそうです。

パワハラの定義は業務上、不必要な行為や、身体的・精神的に苦痛を与え、職場環境を害してしまう行為となっています。
被害を受けた本人が「パワハラ」に感じたら認定されます。

一方、セクハラの定義としては、身体的特徴や性別による差別によって、他人を不快にさせる行為とされています。
パワハラと違い、「受け手が不快に感じるかどうか」が判断基準になり、本人以外の周りの受け手が不快に感じても、セクハラと認定されるケースがあります。

町長の発言や行為は、明らかに多くの人に不快に感じさせるものでした。

訴えた方が不利益を被らないように

大石「どういう経緯でこの言葉が出たか?」

町長によると、打ち合わせをしている時に、指示したことに対して対応が不十分だったケースがあり、「この前も言ったやん。アホちゃうか。殺すぞ、死ね」と口走ったとのこと。

大石「私は『殺す』『死ね』という表現は、やっぱり行き過ぎだと思いました」

また、セクハラ発言に関しては、相手が”同級生の姉”だったので、その場では笑いが起きたと弁解しています。
ただし、肝心のお相手の方がどう思っているか、ご本人に確認をとっていないそう。

二人の関係性はさておき、周りの方が不快に感じている場合、職場環境に害を与えることになるため、やはりセクハラとして認定される可能性があると大石。

これら一連の問題については、年内に通常の調査が行われる予定です。
また、弁護士が中心の第三者委員会の設置も予定されています。

「不安で仕方がないだろう」と大石が慮ったのは、この問題を摘発した職員です。
勇気を持って決死の覚悟で声を上げた人が不利益を被らないように、と町長に念を押す大石でした。
(nachtm)
 
大石邦彦のNOW ON SHARE!
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2023年11月18日11時44分~抜粋

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