大石邦彦のNOW ON SHARE!

今や「アッシー君」も暴力被害!「デートDV」の実態とは?

カップル間で発生する暴力全般を指す「デートDV」。
大人だけでなく、中学生・高校生・大学生など、若い恋人同士で起こり得る身体的・精神的暴力が顕在化し、近頃増えているそうです。

10月28日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーがこの「デートDV」の実態や問題点について解説します。

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スマホのチェックも「DV」に

交際相手からさまざまな形で暴力を受ける「デートDV」が最近増加しています。

大石「実態はどうなのか?もしDVに遭ったらどうすればよいのか?」

今回、被害者の方や弁護士に話を聞いた大石。
そもそも「デート」と「DV(ドメスティック・バイオレンス)」という言葉は、いまいち結びつきにくいかもしれません。
「家庭内暴力」を意味するDVですが、ややかけ離れた意味でも使われることに注意が必要です。

この「デートDV」の定義は4種類、と説明する大石。

まず殴る、蹴る、胸ぐらをつかむ、髪を持ってひきずるなどの「身体的暴力」。
薬物を強要する、アルコールを強要する行為なども含まれます。

また馬鹿にする、家族や友達に会わせない、無視する、スマホのチェックなどの「精神的暴力」。

大石「誰とLINEやってるんだ?みたいな」

性行為の強要、避妊しない、ストーカー行為などの「性的暴力」。

これらに借りた金を返さない、働くことを許さない、いつも奢らされるなどの「経済的暴力」を加えた4種類です。

大石「デート中にやるDVではないんですね。『カップル間DV』と言った方がわかりやすいかもしれません」

このように、プライバシー侵害や嫌がらせ行為なども含まれるようです。

今や「アッシー」も暴力に

調査によると、交際相手のいる女性のうち、「デートDV」の被害経験がある人の割合は16.7%。
交際相手のいる男性では、8.1%となっています。

大石「女性だけではない。男性も被害者なんです」

30年ほど前のバブル期にあった「アッシー」「メッシー」「貢ぐ君」という流行語を思い出す大石。
デートの際、女性が「男性を足代わりにする」「男性に食事を奢らせる」「男性にプレゼントをさせる」行為を当時の感覚で茶化したものでした。
時代が時代なら、これらは全て「デートDV」に当てはまっていたのかもしれません。

大石「よくよく考えてみたら、経済的暴力なんですよ!」

以前は平然と行われていたことも、「暴力」と定義される最近。
「時代が変わった」という認識を持たないと、ジェネレーションギャップでは済まないようです。

法律で裁けないことが問題

では、デートDVの認知度は実際どのくらいなのでしょうか?

大石が名古屋・栄で60人(10~20代の方が中心)に尋ねたところ、「知っている」と答えた方はたった13人(約20%)でした。

大石「認知度が低いと思いました」

またややこしいことに、デートDVは法律で裁くことができません。
DV防止法では「配偶者間の暴力」の他は適用外になるからです。

とはいえ、不同意性交罪などの場合、犯罪の可能性を個別に問うこともできると大石。

20年に渡り、デートDVをなくそうと取り組んでいる方は「立場の強い人間が立場の弱い人間を支配することから始まる」と見ています。

大石「受けた側も意識していない、加害者も意識していないケースが多々ある」

恋愛の低年齢化が進み、小学生のうちから付き合う子もいる昨今。
デートDVの認識が広がり、人権侵害として受け止める必要があると主張する大石でした。
(nachtm)
 
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2023年10月28日11時43分~抜粋

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