大石邦彦のNOW ON SHARE!

藤井聡太八冠が誕生!前代未聞の強さの裏側に迫ります

10月11日、京都市で行われた、第71期王座戦五番勝負第4局で藤井聡太竜王・名人が永瀬拓矢九段に勝利し、藤井さんは前人未到の八冠(名人、棋王、王将、竜王、王位、叡王、棋聖、王座)制覇を達成。21歳という若さで全タイトルの独占が決定しました。

地元・愛知県瀬戸市出身の藤井さんの快挙に沸いている中京エリア。

10月14日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが八冠達成の裏側を探ります。

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羽生善治九段を上回る記録に

愛知県瀬戸市出身ということもあり、長年取材してきた地元局としても八冠の誕生に沸いています。

大石「中学2年生でプロデビューしてから足掛け7年、ずっと取材してきました。しかしながら、これだけ早く全冠達成するとは思いませんでした」

1995年に25歳で七冠を達成し、フィーバーを巻き起こした羽生善治九段。
今回の藤井さんの八冠は、21歳での達成となります。

大石「4年早いってすごいですよね」

将棋界にあるタイトルは、竜王・名人・王将・王位・王座・棋聖・棋王・叡王の8つ。

2016年に史上最年少でデビューを果たし、2020年に初となるタイトル「棋聖」を17歳11ヶ月で取り、同じ年に「王位」を18歳1ヶ月で奪取。
2021年には「叡王」(19歳1ヶ月)と「竜王」(19歳3ヶ月)。
2022年には「王将」(19歳6ヶ月)。
そして今年は「棋王」(20歳8ヶ月)と「名人」(20歳10ヶ月)、さらに「王座」を21歳2ヶ月で獲得したことになります。

大石「すごいですね…8つのタイトル」

同じ相手に連敗しない強さ

約170人のプロ棋士がひしめくなか、藤井八冠はその頂点に8回も立ったことになります。
類まれな強さの秘密はどういう点にあるのでしょうか?

勝率を調べたところ、藤井八冠はずっと8割をキープしていました。
7割でも強いとされる将棋界、デビュー当時と違い、近年は強い相手が増えている中で、この数字は驚異的だと大石。

大石「強い人とやっても8割なんですよ。いかに強いか」

先に指す「先手」と、後に指す「後手」が交互に駒を動かしていく将棋。
「先手必勝」と言われるとおり、将棋も「先手」のほうがやや有利とされていますが…

大石「後手でも強いんです。守りも攻めも強い。万能の将棋をする人」

盤石な藤井将棋ですが、同じ相手に連敗しない”修正力”の高さにも大石は着目します。
苦手を作らないことが、スムーズなタイトル奪取や防衛につながっているようです。

少年時代は負けると大泣き!

藤井八冠の師匠である杉本昌隆八段や、姉弟子の室田伊緒女流二段に話を伺った大石。

室田二段によると、強さの原点はこどもの頃にあるそう。
当時の藤井八冠は対戦に負けると、将棋盤を自分の身体で覆い尽くして大泣き。
その様子がとても印象深かったそうです。

ある日、室田二段の弟が藤井少年と将棋を指したところ、見事に勝利。
その時も、藤井少年は悔し泣きをしていました。
「負けたくない」という思いが人一倍強く、今でもその性格は変わっていないと室田二段。

大石「あんなクールな顔をしていても、(敗戦の日は)自宅に帰ったらまだ泣いてるかも知れませんね」

また、杉本八段によると、強さの秘密は強靭なメンタル面にあるそう。
大事なタイトル戦の前でも「これ勝ったらタイトルか…」といった、余計な事はまず考えないという藤井八冠。
とにかく目の前の将棋で勝つこと、いい将棋を指すことしか考えないのだそうです。

大石「変なプレッシャーがないんですね」

技術のみならず精神面でも卓越し、他の人とは全く異なる境地にいると感じた大石。
歴史的瞬間を目の当たりにし、藤井八冠が今後どう成長していくのか、取材をまだまだ続けていきたいと語りました。
(nachtm)
 
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2023年10月14日11時46分~抜粋

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