大石邦彦のNOW ON SHARE!

消える「ジャニーズ」の名。姿勢を一転させた2度目の記者会見

10月2日午後、ジャニー喜多川氏が生前に行っていた性加害問題について、ジャニーズ事務所が2回目の記者会見を行いました。
長年親しまれた”ジャニーズ”の名と決別し、今後は補償会社と事業会社として生まれ変わっていくことを宣言しました。

7日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが、記者会見の内容や今後の補償について解説します。

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新しい社名は「SMILE-UP.」

今回の記者会見では、東山紀之社長から改めて謝罪の旨が語られたほか、被害保証の内容や、ジャニーズ事務所を事実上廃業とする旨も明かされました。

大石「長年芸能界において欠かせないプロダクションであったジャニーズ事務所。今後どうなっていくんでしょうか?」

先月7日に行われた1回目の会見は4時間に及ぶものとなりましたが、具体的な方針や対策が提示されず「経営側の姿勢が変わっていない」との批判が相次ぎました。
また会見後、所属タレントをCMに出演させていた企業からは、出演契約打ち切りも発表されました。

今回の会見では、前回「残す」としていた社名・事務所名を変更。
マネジメントや育成の業務からは完全に撤退することを宣言しました。

大石「相当考えたんだと思います」

17日付けで変更する新社名は「SMILE-UP.」。
引き続き、元社長の藤島ジュリー景子氏は100%大株主として取締役にとどまります。

ただし、この「SMILE-UP.」は旧・ジャニーズ事務所を継承する会社ですが、主な業務は補償を担うことなります。
タレントのマネジメント事業については、別に新会社が立ち上がりますが、社名等は未定で、公募することになっています。

この公募について思うところがある大石。

大石「平時だったらあるのかなって思いますね。いま、有事ですからね」

「自分の会社の名前くらい決められないのぁ?」との指摘が出ることも予想されます。大石は会社の方針がまだ見えていないのでは、と訝ります。

タレントとは今後対等な関係に

補償会社と事業会社を分けること自体、被害者救済では珍しいことではない、と大石。

大石「会見ではかなり踏み込んだ発言もありました。『ジャニー氏の痕跡を世の中から消す』と」

「ジャニーズ」の名称はグループ名からも消去される見込みで、1回目の会見とは異なる姿勢を見せています。

また、各タレントとは前日の新会社でエージェント契約を結ぶことになります。
これまでは、メディアなどから報酬が事務所に渡され、タレントは事務所から何%か報酬を得ていました。
今後は報酬がすべてタレントに行き、事務所には仲介手数料のような形で支払われます。

大石「(タレントと事務所が)対等になるんですね。これまでは従属関係にあったわけですね」

その従属関係が性加害の背景にあったと指摘します。

補償はどこまで行われるのか?

もうひとつのポイントは「SMILE-UP.」社が担う補償です。医療費はどのくらいかかるのでしょうか?

程度によりますが、心療内科では1回の通院で心の傷が癒える人もいれば、2、3回かかる方も。通院期間についても、1年~10年と相当幅があるようです。

大石「過去だけじゃないとすると…未来はどこまで補償するのか?」

また支援員によると、今回の性加害問題が発覚してから60-70代からも相談が相次いでいるそうです。
さらに、遺失利益(=被害がなければ得ていただろう利益)という考え方もあり、法を超えた補償がどこまで及ぶかも未知数です。

大石「男性で苦しんでる方もいらっしゃいますが、女性の方が圧倒的に多いわけですよね」

ジャニーズ問題だけに終始せず、そこの視点も忘れないでほしいと喚起する大石でした。

 
大石邦彦のNOW ON SHARE!
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2023年10月07日11時43分~抜粋

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