大石邦彦のNOW ON SHARE!

お盆休みの東海道新幹線、なぜ5時間も運転見合わせに?

お盆休み中の8月15日、台風7号が近畿地方に上陸しました。
翌16日には台風が過ぎ去ったにもかかわらず、東海道新幹線が静岡県内でストップし、名古屋駅などで多くの乗客が5時間以上待たされる事態になりました。

8月19日放送の『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが新幹線の運転見合わせについて解説します。

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蒸し暑かった名古屋駅構内

お盆休みに近畿地方に上陸した台風7号。
飛行機はもちろん、新幹線も始発から運転を取りやめるなど交通網が麻痺しました。

驚いたのは、台風が過ぎ去った後にもかかわらず、東海道新幹線がストップし、乗客が名古屋駅で5時間以上待たされるという事態が起きたことです。
駅構内で疲弊する人々の姿が報道されました。

まずお盆休みの14日、台風7号がやってきて、東海道新幹線は計画運休に入ることが発表されました。
15日は予定通り始発から運転見合わせ。翌16日には東海地方から台風が過ぎ去ったものの、東京~博多間で最大5時間半程度の運転見合わせになりました。

上下線180本以上が運休、240分以上の遅れが出て、およそ30万人に影響を与えたのです。

大石「大きなニュースとなってしまいました」

名古屋駅はどんな様子だったのでしょうか?

大石「駅構内は本当蒸し暑かったですね。あれだけ人口密度の高い名古屋駅はかつてなかったと思います」

5、6人の行列が総延長400メートルくらいの長さになっていたと大石。
30人以上の愛知県警も出動しましたが、人々は整然と並んでいたので、拡声器による交通整理は必要なかったようです。

一方、お店はほとんど混雑していませんでした。お弁当も「いつもより売れてない。売れ残っているくらい」とお店の人。
並んでいた人は行列から抜けづらく、どうやらお店に入りにくかったようです。

静岡県内の雨が原因に

今回、東京から博多まで一時全線ストップとなった原因は、静岡県内で降った大雨でした。

大石「静岡の雨だけで東京から博多まで全線ストップ。東京~静岡間の運転見合わせならわかりますが、なんでなのか?」

新幹線が運転を見合わせるには、2つの条件が定められているそうです。
ひとつの条件は、雨量計の計測の結果、1時間で60ミリ以上の雨が降った場合です。
これは、相当な土砂降りだと大石。
もうひとつの条件は、24時間で150ミリ以上の総雨量で降っていて、かつ直近1時間で40ミリ以上の雨が降っている場合です。

今回、静岡県内の雨量はどちらの条件も満たしていました。

大石「相当雨が降ったんだと」

他の理由としては、東京からの列車がそもそも来なかった、雨の動きが読めなかったこともあるとJR西日本では説明しています。

また、お盆休みというめぐり合わせも原因でした。
お盆休みで列車の本数がいつもより多いため、復旧に時間がかかってしまったそうです。
JR東海によれば、普段であれば前もって準備することができたが、突然で局地的な大雨では対処が難しいとのこと。

いろんな悪条件が重なった結果

大石「台風が去ったら大丈夫だろ、って思いますもんね」

東京に向かう乗客が多いため、折り返し運転をしたとしても、どこかの駅で乗客が滞留してしまうことは避けられず、解消は難しいとの判断に至ったそう。

大石「とにかくいろんな要因、いろんな悪条件が重なって運転見合わせとなったわけです」

近年、気候変動の影響でゲリラ豪雨が増えています。
想定外の事態はいつでも起こり得るため、いろんな可能性を幅広く予測して判断することが大事かもしれません。

システムが発達して便利になったとはいえ、まだまだ社会システムは脆弱なんだな、と締める大石でした。
(nachtm)
 
大石邦彦のNOW ON SHARE!
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2023年08月19日11時45分~抜粋

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