大石邦彦のNOW ON SHARE!

不安と課題が山積み!道交法改正で電動キックボードの免許が不要に

道交法改正により、7月から電動キックボードの運転免許が不要になりました。
歩道も走れるようになった電動キックボードですが、果たして安全面は大丈夫なのでしょうか?

7月8日放送の『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、大石邦彦アナウンサーが電動キックボード事情について解説します。

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東京・渋谷では大人気!

手軽な移動手段として最近注目を集めている電動キックボード。小回りが効いて、排気ガスや騒音のないところが人気です。

今月から一部に限り、ヘルメットは努力義務になり、16歳以上であれば運転免許は不要になりました。

大石「小さいお子さんの方がご存知かと思いますが」

もともとは、こどものおもちゃだったキックボード。

大石「年齢高めの方は『ローラースルーGOGO』に近いものというと、ピンとくるかもしれませんね」

電動キックボードは、1970年代に本田技研工業から販売されていた「ローラースルーGOGO」に見た目がそっくりで、時速20~30キロ程度のスピードが出せます。
現在の相場は2万のものから数十万円までと幅広く、若者を中心に人気です。

「東京の渋谷ではUberか、電動キックボードか、というくらい目にする」と大石。
放送エリアの名古屋周辺では、まだそれほど見かけないようです。

大石「やっぱ東京、大阪行くと結構見るなと」

”原付扱い”から実質”自転車”に

電動キックボードに関する道交法はどんなふうに変わってきたのでしょうか?

改正前は運転免許の他、ナンバープレート、ヘルメット、ヘッドライト、ミラーが必要で歩道は走行禁止でした。
それというのも、電動キックボードは当時「原付扱い」だったからです。

ところが今回の道交法の改正で「特定小型原付」というカテゴリになりました。

これにより、最高速度が時速20キロ以下であれば、16歳以上なら「運転免許が不要」に。
また、ヘルメットも着用義務から努力義務に変わりました。

大石「これはつまり、自転車と一緒です」

さらに、歩道の走行も時速6キロまでであれば、OKということになっています。

大石「いろいろ変わるわけですよ。なんでこんな法改正が行われたか?」

大石によると、電動キックボードを普及させるべく、業界団体やシェアリングサービス会社などが経産省や警察などに働きかけた経緯があるようです。
また、アメリカ・ドイツ・ポーランド・イギリス・イタリアなどの大都市で普及が進んでいることも推進の背景にあるようです。

大石「日本も海外に並ぼうということで」

同業者からは厳しい声も

大石「事故、増えているんですよ」

電動キックボードにからむ全国の事故件数をみると、2020年に4件、2021年に29件、2022年に41件と年々増加。
放送2日前の今月6日には、大阪市西区でトラックとの衝突事故が起きています。
けが人はなかったものの、キックボードに乗っていた男性からは、基準値以上のアルコールが検出されたそうです。

今後道交法を理解していない人も乗り始めるとなると、さらに事故が増えるのではないか?と懸念する専門家も多いそうです。

また、電動キックボードは歩道も走れるため、歩行者との接触事故が増える恐れもあります。
静音性が仇となる接触事故にはよりいっそう気をつけなければなりません。

広い参入を必ずしも喜んでいない同業者もいるようです。
三重県鈴鹿市で2018年から電動キックボードを製造する業者の方に聞くと、返ってきたのは意外な答え。
「野放図な規制緩和は、街に凶器をバラ撒くようなものだ」と眉をひそめます。

大石「喜んでいない人もいる」

観光目的の若者は、つい「乗ってみよう」と軽い気持ちで乗ろうとするもの。
乗り方にも交通ルールもよく知らないままに利用してしまうことが容易に想像できます。

大石「そんな人が街を移動した時に事故が増えないんだろうか?そこがちょっと心配ですよね」

利便性が増すときは、必ず事故のリスクも増すと警告する大石でした。
(nachtm)
 
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2023年07月08日11時43分~抜粋

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