大石邦彦のNOW ON SHARE!

長野で起きた衝撃的な立てこもり事件。再発防止策はあるのか?

5月25日夕方に長野県中野市で立てこもり事件が発生し、警察官ふたりを含む4人が死亡しました。

6月3日放送の『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、大石邦彦アナウンサーが今回の事件の特異性や、再発防止策について解説します。

[この番組の画像一覧を見る]

見当がついていた犯人の人物像

猟銃を持った容疑者の男が、12時間にわたり自宅に立てこもりましたが、警察官2名を含む4名が犠牲になりました。

大石「驚きましたよね」

事件当日の午後4時半頃「女性が刺された」と消防に通報がありました。
数分後に到着したパトカーに対して容疑者が発砲。その後、中野市議会議長の家に立てこもります。
翌日午前4時半頃に確保された容疑者は、議長の息子でした。

果たして未然に防ぐことはできたのでしょうか?

事件当日は出演していたテレビ番組『チャント』の放送中に速報があり、現地に駆けつけた大石。
すでに防災無線が鳴り、地元住民は家から一歩も出られなかったようです。

付近の飲食店を取材していた大石が犯人の人物像を尋ねると、返ってきた答えは「若い子、地元の子」。

大石「地元の方はだいたい見当ついていた」

人口4万人の小さな街だけに、事件発生後すぐに容疑者を推測できたようです。

長久手市の事件との類似点

大石は、2007年に愛知県長久手市で発生した立てこもり事件を思い出しました。
この時も警察官1名が発砲により死亡しました。

今回の長野の事件と長久手の事件との間には、いくつか類似点があると大石は見ています。

ひとつ目の類似点は、自宅に立てこもっていたこと。

ふたつ目の類似点は、銃を持っていたこと。
刃物所持なら刃物に注意すればよいですが、猟銃・拳銃の所持となると、まるで話が違います。
不用意に飛び込むと撃たれる可能性があるため、容疑者確保が難しくなります。

3つ目の類似点は、負傷者が現場近くに倒れていたこと。
負傷者も人質同然の存在なので、これも確保を難しくさせる要因になります。

今回の事件では、パトカーのトランクに防弾チョッキが積んでありましたが、駆け付けた警官が対処できる時間的余裕がなかったそう。
というのも、最初の通報の時点では「刃物所持」との連絡だったため、防弾チョッキを装備していなかったのです。

ならば「最初から防弾チョッキを着ることはできなかったのか?」と大石は疑問を付け加えますが…
防弾チョッキは想像以上に分厚く、運転がままならなくなるため、通常は着用しないようです。

不十分だった?精神診断

銃といえば記憶に新しいのは、昨年7月に安倍晋三前首相が亡くなった事件です。

大石「最初から飛び道具という可能性もあるわけですから。初動から『もしかしたら銃や爆弾があるかもしれない』と警戒度を上げて、対応する必要があるかもしれない」

残るは、どのように猟銃を入手したのか?という疑問。
猟銃といえど、簡単に所持することはできません。
教習や面談を重ね、さらに身辺調査をして問題がない場合に限り、許可証が交付されるそうです。

大石「問題ないという話だったので、銃を持ってしまったわけですね」

ただし、今回足りていなかったとみられるのは、医師による診断がなかったこと。

大学時代に精神の不調があり、大学を中退していた容疑者。
ところが「不調はない」と言い張り、受診しなかったそうです。

「診断書があれば、もしかすると状況が変わったのかな」と大石。

今回の事件で浮き彫りになったのは、初動対応や、銃所持の厳格な審査という課題です。
対策の強化によって、二度とこのような事件が起きないことを望む大石でした。
(nachtm)
 
大石邦彦のNOW ON SHARE!
この記事をで聴く

2023年06月03日11時43分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報