大石邦彦のNOW ON SHARE!

サミットの開催地が東京から地方に変わった理由。

5月19日から21日、日本では7回目の開催となるサミット(主要国首脳会議)が広島にて開幕され、核軍縮などについて各国首脳による議論が行われました。

会期中20日に放送された『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、大石邦彦アナウンサーが日本で行われてきたサミットについて解説します。

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90年代まではすべて東京で開催

21日まで3日間開催された「広島サミット」。
G7(グループ・オブ・セブン)の顔ぶれは、岸田総理(日本)、バイデン大統領(アメリカ)、マクロン大統領(フランス)、スナク首相(イギリス)、ショルツ首相(ドイツ)、メローニ首相(イタリア)、トルドー首相(カナダ)の計7名。
カナダのトルドー首相以外は、”新顔”ということになります。

大石「前回の伊勢志摩サミットとは、ガラッと顔ぶれ変わりました」

これまでに日本では、今回の「広島サミット」も含めて7回開催されていますが、初開催の1979年、1986年、1993年と3回ともすべて東京でした。

大石「ここまで全部、首都東京だったんですね。都市型サミットは、はっきり言いますと警備しにくいんですね」

大都市開催の場合、人が多いとテロの容疑者が特定しにくいため、近年は大都市でのサミットは行われなくなったそうです。

近年はリゾート地開催が主流に

2000年は沖縄県名護市で開催された「九州・沖縄サミット」。安室奈美恵さんのイメージソングを思い起こす方も多いでしょう。

続く2008年は「北海道・洞爺湖サミット」。

大石「南から一気に北に行ったわけです」

そして前回(2016年)は、中京圏の方には記憶にも新しい「伊勢志摩サミット」。北と南の間をとった三重県の伊勢志摩で行われました。

大石「大都市から、だんだんリゾート地での開催が主流になってきたんですよ」

今回は、人口120万人の大都市の広島。会場は「宇品島」という場所で、都市型とリゾート地まで橋一本です。

大石「警備がしやすいということになります。ただ、海からテロに襲われないかどうか、そこの不安はあるんですけども」

海上保安庁が船でしっかり警備していますが、大石が注目したのは、警備を仕切っているのは誰か?ということ。

今回警備を仕切るのは、広島県警の森元本部長。
2016年の三重県警の本部長として伊勢志摩サミットにあたり、2021年の東京オリンピック・パラリンピックでは警視庁警備部長を務め、その実績を買われて、広島県警の本部長になったそうです。

大石「大都市の警備も知っている。リゾート地の警備も知っている。ある意味うってつけの人物」

広島サミットを重視していることが、人事からもわかると大石。

サミットが広島で行われる意味

前回、伊勢志摩サミットでの警備は、アルカイダのような過激派組織に対するものでした。

最近では「ローン(単独)オフェンダー」による犯行が相次いでおり、未然の予防が難しいそうです。

また、無人ドローンによる攻撃や、コンピュータウイルスによるサイバーテロ対策など、何が起こるかわかりません。
日本の警察の威信をかけて、2万4千人の最高の警備体制で臨んでいます。

大石「伊勢志摩サミットより、1000人も多く投入して警備にあたっているんですね」

サミットではどんな議論が行われているのでしょうか?
ウクライナ支援、中国・北朝鮮への対応、台湾有事、経済安全保障、クリーンエネルギー問題。
いつ起こるかわからないこれらのリスクへの対応が議論されます。

そして何より、広島でのサミットが問いかけるのは、「核軍縮はどうするのか?」という人類永遠の問いです。
今回、原爆資料館の展示を見学したG7の各国首脳。
ぜひ何かを感じてもらったうえで世界を引っ張っていってほしい、と切に願う大石でした。
(nachtm)
 
大石邦彦のNOW ON SHARE!
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2023年05月20日11時43分~抜粋

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