大石邦彦のNOW ON SHARE!

話題の対話AI「チャットGPT」。注意点や教育現場の反応は?

最近話題の対話型AI「ChatGPT」、試した方は多いでしょう。
なんでも聞けば答えてくれ、話し相手にもなってくれる便利な反面、安全性や倫理性が問題視されてもいます。

4月22日放送の『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、大石邦彦アナウンサーがこの「ChatGPT」について解説します。

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政治家から華麗に転身?

質問や指示に対し、わずかな時間で自然な文章を作成する対話型AI「ChatGPT」。

悩み相談などの遊びがプチ流行しており、10日には開発企業「OpenAI」のサム・アルトマンCEOが来日し、岸田首相と面会して話題になりました。

大石「どんなものなのか?注意点はなんなのか?教育者にも聞きました」

人気指標となるアクティブユーザー数はすでに1億人超え。

大石「11月に始まったばかりなのに、もう1億人ってすごいですよね」

試しに自身のプロフィールを尋ねてみた大石。
すると「三重県出身の政治家で元農水大臣」と誤答する「ChatGPT」。
訂正を求めると「山口県出身で元文部科学大臣」。
アナウンサーだと告げても「もともとは政治家だった」と一歩も譲りません。

大石「僕、何歳でアナウンサーになったんだろう?」

検索システムと違い、最新情報に弱い「ChatGPT」。
歴史上の人物などの場合、もう少し精度は高いようです。

感想文はまだまだ機械的

レスポンスが速く、効率的で時間短縮になる一方、自分で物を考えなくなるのでは?と危惧される「ChatGPT」。

そこで、夏目漱石の小説『吾輩は猫である』の感想文を起こさせてみた大石。

「この物語は猫の視点から描かれることで人間社会を批判的に描いています。人間社会の問題点について考えるとともに、猫の生き方や考え方についても深く考察することができます。全体的に猫の視点から描かれた人間社会の問題を深く描いた傑作小説であり、現代の読者にも深い共感を呼び起こすことができます」

一見まとまっている感じも受けますが、平均的で面白みに欠けると大石。

大石「感情的に訴えてくるものがないですよ。”エモさ”というの?そういうのがなくないすか?」

まさしく機械が作っただけに、”機械的”なのは当然かもしれません。
「むしろ、感情の領域まで踏み込んでくると怖さもある」と大石。

賛否両論!教育現場への活用

教育現場ではどのように捉えられているのでしょうか?

岐阜市内の小学校の松岡校長は「ChatGPT」の便利さを認めるものの「小学生の授業には必要ない」との考え。
小学生には「基礎的な学びや思考が大切」と松岡校長。必要なのは「課題設定・情報収集・整理分析・まとめ表現」の4項目としますが、まさに「ChatGPT」が得意とするところです。

大石「”人が学ぶ基礎”が育ちにくい環境になる。デメリットが垣間見えましたね」

危機感を募らせる文部科学省はガイドラインの作成を急いでいます。

一方、大学での教育はどうでしょうか?
すでに論文作成にも導入されていますが、名古屋大学大学院の内田良教授(教育発達科学)は「波には抗えず、逆に小学生から導入すべき」との考え。

ただし、教員側も深く理解した上で、使い方をサポートすべきとの条件をつけます。
使用の有無を自己申告すべきとのことですが、実際には線引きが難しいところです。

また、農林水産省も導入する方針を表明。模範的で理路整然とした文書などには向いていそうです。

人間力を磨く時代

一方海外では、イタリア政府が個人情報保護の観点から一時的な使用禁止を訴えました。
来月のG7サミットの議題にものぼると見られています。

大石「人が使いこなす、あくまでも道具なんですね」

今のところ、「ChatGPT」は物事の本質を理解しておらず、人間が判断できる知識を身につける必要があると大石。

ますます人間力を磨かなければならない時代になりそうです。
(nachtm)
大石邦彦のNOW ON SHARE!
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2023年04月22日11時43分~抜粋

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