大石邦彦のNOW ON SHARE!

ウクライナ侵攻から1年…変化した国際社会の行方は

ロシアのウクライナ侵攻が2月24日で1年が経ちました。

もう1年なのか、まだ1年なのか、受け止め方は様々ですが、世界中の人が気になってるのは今後の停戦の見通しでしょう。

3月4日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、大石邦彦アナウンサーがウクライナ侵攻の先行きについて解説します。

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母国を守る意志を貫いたウクライナ

世界に衝撃を与えたウクライナ侵攻が2月24日で1年が経ちました。
国際秩序を無視した侵攻によって市民の犠牲は増え続け、エネルギー問題に端を発する経済問題で世界中が大きな影響を受けています。

今後の停戦の見通しはどうなるのでしょうか?

多くの街が灰になり、民間人が8000人以上亡くなったウクライナ。兵士は1万3千人が死亡。
一方でロシアの兵士は推定4万から6万人が死亡。
各国の当局による情報のため、信憑性の問題はありますが…

大石「多くの方が命を失っているのは間違いない事実なんですね」

本来、短期決戦のつもりで侵攻したロシア。
ところがすでに1年、なぜここまで長引いているのでしょうか?

これにはプーチン大統領の誤算があったと大石。
「ウクライナがすぐにギブアップする」と予想していたロシアに対し、「俺たちは母国を守るんだ」と闘う意志を貫いたウクライナ。

大石「これが一番大きかったのかな、と」

国際社会にメッセージが伝わり、NATOに入っていないウクライナを支援しようという全面的な動きにつながります。

経済制裁の影響は軽微

思い起こせば昨年の今頃は、ロシアは各国の経済制裁によって早々に潰れるんじゃないか、と予想されていました。
「6~7月くらいに音を上げる」との見方が強かったからです。

ところが、制裁は思っていたより効かず、ロシア経済は予測されたほど、大きく落ち込まなかったのです。

政治ジャーナリスト龍崎孝さんによると、上流階級を除けば、普段からあまり贅沢をしないのがロシアの国民性。よって、冬場の暖房は石炭が中心で、お湯をヒーターにして部屋を暖めるため、さほど影響がないそうです。
また、原油・天然ガスで外貨を稼いだこともロシア経済を支えました。

大石「これがやはり、戦争がこれだけ長引いている理由とも言えるんじゃないでしょうか?」

バイデン大統領訪問の意図

先月、アメリカのバイデン大統領がウクライナの首都キーウを訪れました。

大石「あの訪問が政治のフェーズを変えたんじゃないか」

これにはどんな意味があったのでしょうか?
龍崎さんは、交渉の窓口がウクライナからアメリカに変わったことを意味する出来事とみています。

ロシアのプーチン大統領としては、落としどころを見つけて停戦したいのが本音のようです。
一方のバイデン大統領としては、次期大統領選挙のために「停戦」の実績が欲しいところ。
ここに関してはロシアとアメリカの双方の思惑が合致しています。

今後については、戦争激化の可能性も考えられるものの、停戦に向けた動きが始まっていくことを予想する龍崎さん。

国連は何をしていた?

大石「この戦争で明らかになったのは…国連って何してるんだろう?ってことですよね。国連が本当に機能していないことが明らかになりました」

国連の機能不全をみるに、武力が正義なのか?という根本的な疑問を呈する大石。

大石「これを認めちゃったら…今後の日本、世界各地の国々、心配ですよね」

他国にも波及する恐れがあるため、時計の針を戻すような今回の暴挙を認めるわけにはいきません。

ウクライナから日本に避難している方は今も多くいますが、本来の仕事ができないことがストレスになっているそうです。
長引けば長引くほど増えるのは、母国に帰れない辛い思いをする人々。

戦争の犠牲者は「国民」ということを改めて考えさせられる、と締める大石でした。
(nachtm)
 
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2023年03月04日11時46分~抜粋

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