大石邦彦のNOW ON SHARE!

平成と令和の両雄が激突!大注目の将棋・王将戦

羽生善治九段と藤井聡太五冠が激突する将棋の「王将戦」。
棋界の大ベテランと若きニューヒーローの対決、果たしてどちらに軍配が上がるのでしょうか?

1月28日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、大石邦彦アナウンサーが王将戦について解説します。

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各時代を代表する両雄が激突

先日、第72期ALSOK杯王将戦七番勝負の第二局が、大阪府高槻市の老舗旅館にて行われました。

結果は羽生九段が101手で勝利を収め、1勝1敗のタイに。
放送日のこの日、石川県金沢市にて第三局の真っ最中です。

二日制で行われる王将戦の持ち時間は、各8時間。食事や休憩の時間をはさむとはいえ、想像を絶するような長さです。

大石「これ、すごいっすよねぇ」

一手指すのになんと1時間半、長考することもあるのだそう。
常人には及びもつかない集中力が求められます。

将棋の”8大タイトル”と呼ばれるのは、名人・竜王・王将・王位・王座・棋王・棋聖・叡王。
そのうち、5つのタイトルを持つ藤井五冠は棋界の覇者といえます。

弱冠二十歳の藤井五冠に挑むのは、五十代に差しかかった羽生九段。
言わずと知れた将棋界のレジェンドで、1995年には当時の”7大タイトル”を独占し「七冠」に。
近年では国民栄誉賞を受賞するなど、長年にわたり第一線に立ち続けてきました。
これまで通算99期のタイトル記録があり、あとひとつで100期の大台に乗ります。

令和の若きヒーローと、平成から活躍を続けるレジェンドの対決となった王将戦。
タイトル戦で両者が相まみえるのは初めてということもあり、いま注目が集まっています。

後から振り返った時に、間違いなく名勝負として語られるだろうと大石は予想します。

「かかとの不調」で低迷した羽生九段

選ばれしプロ同士がしのぎを削る将棋界。
「勝率が6割ならものすごく強い方」と語るのは杉本昌隆八段。
その中で、藤井五冠の勝率はなんと驚異の8割を超えています。

一方の羽生九段の勝率は平均7割。
デビュー以来、高い勝率を保ってきましたが、昨期は一気に3割6分に落ち込み、低迷。
杉本八段によると、その原因は「かかと」の怪我にあったようです。

大石「かかとの痛みが、かなり影響していたのではないか?」

将棋と「かかと」に何の関係が?と思われるかもしれません。
棋士は長時間正座を強いられるため、「かかと」の支障さえ勝敗に影響してしまうようです。

今期は「かかと」の不調も治り、復活の兆しをみせている羽生九段。
王将戦の舞台を好調で迎え、満を持しての登場となりました。

機先を制するのはどちら?

将棋では、先に指す方が「先手」、後に指す方が「後手」と呼ばれます。
一般に「先手必勝」と言われるとおり、将棋でも先手が有利なようです。

先に四勝した方が「王将」のタイトルを獲得できる今回の七番勝負。
第一局(先手・藤井五冠)、第二局(先手・羽生九段)では、いずれも先手が勝利。
第三局でも先手(藤井五冠)が勝つ可能性が高いとみられます。

裏を返すと、相手が先手のときに破ることができれば、七番勝負を優位に運べることになります。
サービス側が有利なテニスにたとえると、相手のサービスゲームをブレークすることに相当すると大石。

大石「ここで、羽生さんの一番いい手を持ってくるんではないか?」

杉本八段は、第三局で後手番の羽生九段が勝つ可能性を見出します。

AIで研究してきた藤井五冠と、長年の経験で研鑽を積んできた羽生九段。
棋界を代表するスーパースターの激突となった今回の戦い、どちらに勝利の女神が微笑むのでしょうか?
(nachtm)
 
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2023年01月28日11時43分~抜粋

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