大石邦彦のNOW ON SHARE!

近年増え続けている梅毒。その背景にあるのは?

統計開始以来、最多となった梅毒患者。
患者数が増え続けている背景は何でしょうか?

12月10日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、梅毒が増えている背景について大石邦彦アナウンサーが解説します。

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統計開始以降最多に!

国立感染症研究所の調査によると、2022年の梅毒患者の報告数が、1999年の統計開始以来初めて1万人を超えたそうです。
昨年の同時期と比べても1.7倍と、大幅な増加が続いています。

実は梅毒患者はここ数年増加しており、密かな社会問題になっていました。

大石「どうして梅毒患者が増えているのか?理由を探りました」

梅毒菌による感染症は粘膜や皮膚の小さな傷から感染します。
3週間後に性器や肛門にしこりや潰瘍ができ、4-10週間くらいの潜伏期間を経て全身に発疹が出ます。

大石「僕も写真や動画を見ましたけど」

発疹は手のひらや足の裏にもできます。
症状はいったん消えますが、感染力を保持したまま、静かに病気が進行します。

大石「治療せずにそのまま放っておくと、重症化します。脳や心臓に重大な合併症を起こしてダメージを与えてしまう」

最悪の場合、死に至ることも。

大石「なのでこれは注意、警戒しなければならない!」

この10年間で増加が顕著

気になるのは、2010年までは年間たった数百件の患者報告数だったこと。
その後、10年余りでどんどん増え続けていることになります。

世代や性別でみると、男性は20代から60代まで幅広く感染者がいる一方、女性はとにかく20代が多いようです。
数年前と比べると、なんと6倍に増加しているのです。

ちなみに愛知県では、2012年の時点で報告数はわずか38件。
ところが、2018年には454件、2019年には366件、2021年には422件と近年高止まりしています。

大石「いやー、高い数字で推移しているんですよね」

どうしてこんなことが起きているのでしょうか?

話は梅毒の起源まで遡ります。
1492年、新大陸アメリカを発見したコロンブスがヨーロッパに持ち帰って広まったのが起源とされています。

一方、日本の起源とされるのは戦国時代。外国から西洋文化とともに渡来したようです。
つまり、グローバル化によって国際交流が進むと、人々の間に広まっていくと考えられます。
近年の訪日外国人の急増とは確かに符合しそうです。

拡大の原因はコロナ禍の性産業!?

「何が本当の原因かはまだわからない」と前置きしながらも、大石が紹介したのは「性産業」という説です。

専門家は「コロナ禍の影響」が急激な広がりの裏にあることを指摘します。
コロナ禍の数年間は、ステイホーム・外出禁止政策でエンターテイメント産業が全体的に停滞していました。

性産業が集客のために過剰なサービスを行ったため、感染が思いのほか広がった?との見方だそうです。
関連して、マッチングアプリの影響を指摘する説もありますが…

大石「果たしてそうなのかな?」

とってつけたようなこれらの説に疑問を挟む大石。
かつて性交渉を求める場として悪評高かった「出会い系アプリ」と、現在のマッチングアプリとは利用者の志向が大きく異なります。

別の説は、コロナ禍で感染症に対する免疫力が落ちているというもの。

「いずれにしても感染を100%防ぐことはできないため、不特定多数との性交渉を避けるべき」と大石は警鐘を鳴らします。

ちなみに梅毒は早めの検査が有効で、血液検査は匿名・無料。治療法もペニシリンを服用・点滴が一般的です。

大石「一番は早期発見、早期治療」

「出会いの多くなるクリスマスに向けてそのあたりも注意しましょう」と呼びかける大石でした。
(nachtm)
 
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2022年12月10日11時44分~抜粋

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