大石邦彦のNOW ON SHARE!

インフルエンザとコロナ同時流行「ウイルス干渉」の可能性は?

海の向こう、オーストラリアでは現在インフルエンザが流行中だそうです。

コロナもまだ完全に収まっていないだけに、同時流行が気になるところです。

日本でもこの冬に、インフルエンザは流行するのでしょうか?

10月15日放送の『大石邦彦のNOW ON SHARE!』(CBCラジオ)では、インフルエンザの流行予測やワクチン接種について、大石邦彦アナウンサーが解説します。

[この番組の画像一覧を見る]

コロナとの同時流行は起こる?

大石「今年も冬が近づいてきましたね」

コロナが数年続き、近年は低水準で推移していたインフルエンザ。
その性質や対処法を忘れかけていることもあってか、インフルエンザの現状や今後の予測を知りたい、という投稿が寄せられました。

コロナ禍でうがいや手洗いの習慣がしっかり身についたおかげで、例年(コロナ禍前)ほど感染者が出ていませんでしたが…

大石「厚生労働省のアドバイザリーボードによると『コロナと同時流行の可能性が極めて高い』と」

そこで今回、感染症やウイルスの専門家に取材した大石。

まずコロナに関しては、「第8波がこの冬に必ずやってくる」という予測があるそうです。
夏から激減したとはいえ、このところやや下げ止まっているコロナ感染者数ですが、これが第8波につながる可能性も否定できないといいます。

一方、インフルエンザは南半球のオーストラリアで大流行中です。
その報告数は、なんと3万件あるそうです。

大石「入国制限もかなり緩和されましたから、海外からウイルスが入ってきやすい状況なんですね」

耐性獲得で薬が効きづらい恐れも

どんなタイプのインフルエンザが流行っているのでしょうか?

今年、オーストラリアの感染者のうち「A香港型」が8割だそうです。
もし日本でも流行るとすれば、この「A香港型」が主流になると見られています。

インフルエンザの種類は、A型の他にB型、およびC型があります。
流行するタイプはA型とB型で、特に流行するのはA型の方だそうです。
さらに地名によって、A香港型とAソ連型という区別も。

大石「どんな特徴があるかというと…感染力、最強です!」

A型は重症化しやすく、高齢者や小さなお子さんは肺炎で死に至ることもあるため、要注意です。

大石「オミクロン以前のコロナに近いかもしれない」

主な症状は高熱が2、3日続き、のど・鼻・上気道の痛み、そして下痢、嘔吐、息切れなど。
抗インフルエンザ薬としてはタミフル、リネンザが知られていますが…

大石「最近はウイルスが賢くなっちゃって。耐性を持っていてそこまで効かないという話もでてきています。
結局は対処療法なので、ウイルスが弱まるまで我慢するしかないということです。」

同時接種がおすすめ

ここで気になってくるのが、「ワクチンを接種すれば感染しないのか、重症化しにくいんじゃないのか」ということです。

厚労省では、コロナワクチンとインフルエンザワクチンを別々に接種するのは大変なので、同時接種を推奨しています。
ちなみに単独接種でも同時接種でも、ワクチンの効果や安全性は劣らないという報告が出ているようです。

というのも、ワクチンの専門家によると、インフルエンザのワクチンは「不活化ワクチン」という製造法。
一方で新型コロナウイルスのワクチンは「mRNAワクチン」という全く異なる製造法。
このため、同時に接種したとしても副反応が増幅されず、個別に効果が発揮されるようです。

しかし、昨年も一昨年も同時流行が懸念されていましたが、結局は流行しませんでした。
その原因として考えられるのは、2種類のウイルスが両方存在する場合、一方のウイルスが流行すると、もう一方のウイルスはあまり流行しない「ウイルス干渉」という現象だそうです。

大石「『そうなの?コロナが頑張るの?じゃあ僕は引くわ』と遠慮深かったりして」

仮に「ウイルス干渉」が起きても、少なくともどちらかのウイルスは流行すると見ておくのが良さそうです。
引き続きマスク・手洗い・うがいを徹底し、正しく恐れることを促す大石でした。
(nachtm)
 
大石邦彦のNOW ON SHARE!
この記事をで聴く

2022年10月15日11時44分~抜粋

関連記事

あなたにオススメ

番組最新情報