大石邦彦のNOW ON SHARE!

名古屋の繁華街で17mの街路樹が倒木!その裏にある深刻な事情とは

この夏、名古屋市の繁華街で道路の陥没、そして倒木が立て続けに発生しました。

人通りの多い場所の事故だけに冷や汗が走りますが、それぞれ原因は何だったのでしょうか?
事故防止のための定期的なメンテナンスは十分なされていたのでしょうか?

9月3日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、大石邦彦アナウンサーが道路陥没と倒木事故の原因を解説します。

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栄の街でいったい何が…

7月下旬、栄の久屋大通で、工事現場近くの歩道が陥没しました。陥没の幅は8.6メートル、深さは3.6メートルにも及びました。

次いで8月中旬には栄の大津通で、高さ17メートルの街路樹が倒れ、自動車が下敷きになり道路を塞ぎました。

同じ名古屋市の栄エリアで2ヶ月連続で起きた思わぬ事故。

大石「人通りの多い街でこれらの事故。いったい栄の街で何が起こっているんでしょうか?」

ふだん”安全”を疑わず何気なく歩いている街ですが、私たちの安全は”奇跡の連続”で成り立っていると大石はいいます。
むろん、文字通りの奇跡ではなく、見えない誰かの支えによって成り立っていることは言うまでもありません。

道路陥没は、脇の土砂が穴に流れ込んだことが原因と語る大石。
アスファルトの下部が空洞になっていたそうです。

さらに8月9日、同じ工事現場で地上30階から重さ4キロの鉄板が落下する事故がありました。
原因は、切断していた鉄板が勢い余って飛び、防止ネットを突き抜けて落下してしまったことだそうです。

大石「熱中症対策をしながら、過酷な条件で厳しい仕事をしているということは重々承知しているんですが…」

二重三重の安全対策が必要、と大石は強調します。

老朽化や生育条件の悪さが理由に

そして、大津通で起きた倒木事故について。

大石「あれは驚きましたね!」

事故の一報を受けて、現場に駆けつけた大石。倒れた木の直径は少なくとも50センチはあったとか。

大石「枝ぶりも良かった。なんで倒れたのか?」

名古屋市の方に原因を詳しく尋ねたところ、雨が降り、風が吹いたことで倒れたのではないかとの回答でした。

市の回答に大石が調べたことを勘案すると、直接的な原因として「木の根元が腐っていた」「老朽化」「地下の生育環境が悪化していた」の3つが考えられるそうです。

大石「僕、根元を見ましたけど、確かにスカスカでした」

生きている木は密度が詰まっているものですが、今回倒れた木の根元は隙間が多く腐っていたとみられます。

第二の原因は、老朽化。
倒れた街路樹のケヤキの木は35年前に植えられたのだそう。
35年も経っていたとなると、老朽化するのも不思議はありません。

望まれる定期調査の徹底化

また、街路樹は公園と違い、周囲がアスファルトで固められているため根が張らず、そもそもの生育条件が悪いことも挙げられます。

大石「根元が過酷な環境にいたと、そういうことなんですね」

根元が不安定で、”大黒柱”のような真ん中の太い根っこがなかったそうです。
両サイドの根が何とか大木を支えていたと説明する大石。

根をみると、いかにも窮屈そうに根を張っていました。
根っこが支えていたものが腐ってしまい、ついには支えるものがなくなった結果として、雨の重みと風で倒れてしまった、というのが事の真相のようです。
奇跡的に負傷者が出なかったのは不幸中の幸いでした。

さまざまな原因が重なった今回の事故ですが、気になるのは年間19回も周辺の調査がされていたこと。
ただ、その調査の仕方は、目視とハンマーで叩くだけの簡易な検査。
結果的には不十分だったことから、より精細な調査が今後望まれます。

名古屋市内の街路樹の木の総計は、実に97,290本。
管理の難しさを感じるとともに、あってはならない事故だけに徹底した再発防止を願いたいものです。
(nachtm)
 
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2022年09月03日11時44分~抜粋

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