大石邦彦のNOW ON SHARE!

昨年とはこんなに違う?移りゆくコロナ禍の実態

連日、過去最多を記録している新型コロナウイルスの新規陽性者数ですが、今年の内情はずいぶん変わってきているようです。

昨年と今年でコロナ禍の実態はどのように異なるのでしょうか?

8月20日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、いま知りたい重症化と人手不足の理由について、大石邦彦アナウンサーが斬り込みます。

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重症化の原因が大きく変化

各地で新規陽性者数が過去最多を記録しているこの夏。

大石「なかなか止まりません。不安を抱えている方も多いのではないでしょうか?」

夏休みが始まってお盆も過ぎ、人の動きの活発化を心配する方は少なくないでしょう。
ところが、最近の拡大傾向をみると「昨年と今年で決定的に違う部分がいくつかある」と指摘する大石。

今回、お話を伺ったのは三重県病院協会の竹田寛理事長。
竹田さんによると「病床の逼迫は昨年の第5波も今年の第7波も同じですが、重症者の状況が違う」とのこと。

昨年はコロナ禍になって肺炎になり、重症化する方が多くいました。
一方、今年は人工呼吸器や人工心肺(ECMO)をつける方はほとんどいません。
肺そのものの症状より、元々持っていた基礎疾患がダメージを受けて悪化し、重症化するケースが多いそうです。

現在の”人手不足”の原因

また病床不足と言われますが、医療スタッフの人手不足に陥ったのは昨年も同じ。
ただ、その理由が違ってきているそうです。

重症患者にはスタッフが3、4人必要なため、人手が足らなくなり、医療崩壊が起きていたのが昨年。
一方、今年は医療従事者の中でクラスターが発生して数多く感染したり、自身や周囲の方々が濃厚接触者になることで、出勤できなくなるケースが多いのだそう。

大石「ママさんもいらっしゃる。自分のこどもがもし感染して家にいないといけないとなったら、休まないといけませんよね」

行政の対応にも、いよいよ気になる動きが。
先日8月15日に愛知県が国に要望したのは「他の疾患が主要な死因である場合、”コロナ死”とは別区分にしてほしい」というもの。
どういうことでしょうか?

実は、いわゆる”コロナ死”は2種類あります。
ひとつは、新型コロナ肺炎によって死亡するパターン。
もうひとつは、他の要因で死亡し、検査するとコロナ陽性だったというパターン。

極端な例ですが、交通事故で亡くなった方も、検査によって陽性と判明すれば”コロナ死”とカウントされるのが現状のようです。

死者数のデータがそのまま実態を示していないことは明らかですね。

肺炎単独の死者はゼロ?

この奇妙な現象の背後にあるのは、第7波の主因たるオミクロン株。

オミクロン株は比較的重症化しないはずなのに、(上記の理由で)死者数が多く見えるという乖離です。
そのため、感染を過剰に恐れ、感染しただけで医療機関に殺到する人が増えているそう。
それを防止するのが愛知県の狙いだそうです。

現に愛知県の公表データ(8月16日まで)によると、第7波のコロナ感染で亡くなった方は269人。
一方、コロナ肺炎単独で亡くなった方はなんと”ゼロ”。

内訳をみると、死因は白血病、心筋梗塞、がん、老衰。つまり…

大石「80-90代、100歳代の方が(第7波では)ほとんど、亡くなっている方々なんですね」

コロナ感染はもはや直接的な死因ではなく、感染によって死期が早まったというのが実情のようです。

とはいえ、コロナ感染で重症化しないのは健康な方のみ。
基礎疾患のある方はくれぐれもお気をつけくださいとしつつも、熱中症の危険もあるので、マスクに対する考え方も改めてほしいと訴える大石でした。
(nachtm)
 
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2022年08月20日11時44分~抜粋

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