大石邦彦のNOW ON SHARE!

緊急事態宣言が出されたサル痘、その症状と対策法とは?

新型コロナウイルスと同様に、最近世間を騒がせている「サル痘」。
8月4日、WHO(世界保健機関)から緊急事態宣言が発令されましたが、いったいどんな病気で、感染力はどうなのでしょうか?

8月6日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、サル痘に関する情報を伝えます。

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これまでアフリカを中心に発生が報告されていたサル痘ですが、今年5月頃から欧米で流行国に渡航歴のない患者が報告されはじめ、7月25日には日本でも初の感染者が確認されました。

コロナウイルス同様、WHOによって「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態宣言」が発令されました。世界の感染者数はおよそ1万6千人以上とのことです。
最近では韓国やシンガポールなどアジアでも流行が拡大しています。

私たちの暮らしにどう影響するのでしょうか?

大石「気になるのは、どんな症状が出るのかってことですよね」

サル痘の潜伏期間は1-2週間と長め。主な初期症状は、発熱、頭痛、筋肉痛、リンパ節の腫れ、倦怠感。
「なんだかコロナと勘違いしてしまいそう」と大石。

その後、サル痘に独特の特徴である発疹が出てきます。
赤黒い斑点が出て水膨れになり、膿が出て、かさぶたになり、2-4週間くらいで治っていくそう。
最初の潜伏期間と合わせると、完治までわりと長い時間がかかるようです。

サルは宿主ではなかった!?

7月末時点で、サル痘による死者数はアフリカで5人という状況です。

一方、欧米で今のところ死者が出ていないのは、医療体制の差と考えられるそう。
今回取材した医師の方によると、サル痘は重症化しないので、そこまで心配しなくてもよいという大石。

ところで「サル痘」という名前について誤解があるようです。

大石「宿主はサルじゃないんです。ややこしいんですけど」

実は、サル痘の本来の宿主は、げっ歯類のネズミとリスと見られています。
ただ最初に確認されたのが、たまたま臨床用に捕獲していたサルだったためにその名がついたそうです。

大石「サルにしてみれば、とんだとばっちりですよね」

気になる感染経路ですが、まずウイルスを保有する小動物に噛まれたりすると感染します。
また人間同士では体液を触ったり、かなり近距離で飛沫を浴びると感染すると見られています。
そのため、サル痘の感染力はコロナウイルスよりは弱いと推測されています。

どうして天然痘ワクチンが有効?

現在のところ、18-44歳の男性に感染が多く見られているサル痘。健康状態によっては合併症や重篤な病気を引き起こす可能性が高いと考えられています。

大石「どうやれば感染を防ぐことができるのか?ワクチンがあるんですね」

実は、サル痘は「天然痘」と近縁であることがわかっています。
そのため、天然痘ワクチンによるサル痘の感染予防効果は85%とかなり有効だそうです。

ですが、そもそもどうして自然界で撲滅されたはずの天然痘ワクチンが存在しているのでしょうか?
実はバイオテロ対策のために、ワクチンが今も保持されているとのことです。

感染症法上、サル痘は4類に分類されており、検査はコロナ同様、PCR検査で行われます。
現在、コロナで埋まっている各地の病棟。
もし今後サル痘が感染拡大したら、大変なのは目に見えていると医師の方は言います。

聞き慣れない病名だけに、知識がないとつい不安になりがちですが、思っていたよりその素性がつかめているサル痘。
正しい知識を身につけて、然るべき感染予防をしていれば恐れることはありません、と締めくくる大石でした。
(nachtm)
 
大石邦彦のNOW ON SHARE!
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2022年08月06日11時43分~抜粋

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