大石邦彦のNOW ON SHARE!

どうして投票率はいつも低いのか?その原因を探ります

7月9日、3年ぶりの参議院選挙が行われました。
最近、開票時に決まって報じられるのは投票率の低さ。

共同通信社の集計によると、今回の参院選の投票率は52.05%で、過去4番目の低さだったそうです。

日本の投票率が低い原因はどこにあるのでしょうか?

7月9日放送の『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、投票する人がなかなか増えない原因がわかります。

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”ライバル不在”が原因!?

この番組は参議院選挙の前日にオンエアされました。

世界と比べて、日本の投票率は低いと言われています。
テレビやネットなどで選挙報道には触れているはずですが…

大石「なぜ投票率が上がらないのか?」

各政党に尋ねたところ、今回も投票率45~50%と低めの予測がされているそう。

ちなみに、これまで参院選の投票率が最も低かったのは、1995年の44.52%で村山富市総理大臣の頃。
5、6年前に村山氏に取材した時は「さながら水戸黄門のような方だった」と振り返る大石。

大石「気さくな感じのいい感じのおじいちゃん、という雰囲気なんです」

一方で、戦争反対にかける強い思いを感じたそうです。

当時は、村山氏の社会党・自民党・さきがけのいわゆる「自社さ」の連立政権。
永遠のライバル関係だった自民党と社会党が手を組んだだけに、世間は冷めた反応だったとか。

大石「強力なライバルがいると、戦いは盛り上がりますけども。ライバルがいなくなっちゃうと盛り上がりに欠けますよね」

今回の参院選との類似点は「強い野党がいないこと」と指摘する大石。
そのため有権者の関心が薄く、50%を下回り、過去最低の投票率も予想されていたようです。

学校教育が低下の歯止めに

また「社会構造の変化も大きい」と大石。
ひと昔前は大企業が自民党、労働組合が民主党を支持するという、わかりやすい対立構造がありました。
時代が変わって、最近では政治と関連の薄いベンチャー企業も増えたため、良くも悪くも政治とビジネスの分離が進んだことが関心低下の背景にあるようです。

若者の”投票離れ”も顕著で、20代の投票率は30%台にとどまっています。
ところが、その下の10代はというと…投票率は意外と高いようです。

2016年はなんと47%近く、これには「学校教育の影響がある」と指摘する大石。
高校3年生は授業で投票の仕方や模擬選挙を習うだけに、自然と関心が高まるようです。

なお現場で教えている先生には独特の苦労も。
「政治信条を絶対に言ってはいけない」など、厳しいルールがあるためです。

大石「政治色が出ちゃうと、生徒を洗脳してしまうことになりますから」

学校はもちろん、日本では家族の間でさえ政治の話はタブーという風潮もあり、低い投票率にはいろいろな背景があるようです。

”投票難民”のための「移動サービス」

ここで、岡崎市にお住まいの72歳の方からのメールを紹介する大石。
期日前投票はタクシーで行く必要があり、投票所に行くにも徒歩で往復40分。
ご高齢のため車も運転できず、ここ5年間は選挙に行けていないようです。

大石「投票に”行かない”じゃなくて、”行けない”人もいるわけなんですね」

移動が困難なこうした”投票難民”の方のために、今や「移動支援」をする自治体もあるようです。
介護タクシーで送迎をしてくれる行政サービスや、島根県の山間部では有権者のために、ハイエースで「移動期日前投票所」を設置したというユニークな事例も。

大石が岡崎市役所に問い合わせたところ、リスナーの方のご自宅の1km圏内に投票所ができるとのこと。
また、選挙管理委員会に事前連絡をすれば相談にも乗ってくれるそうです。

大石「ぜひ、やってみてください!」

今回の参院選が終わると、この先まるまる3年間はない、とも言われる国政選挙。
とりわけ大事な選挙ですので、落ち着いた気持ちで後悔のない一票を投じられるとよいですね。
(nachtm)
大石邦彦のNOW ON SHARE!
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2022年07月09日11時44分~抜粋

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