大石邦彦のNOW ON SHARE!

依存症対策は?「カジノIR計画」のメリットとデメリット

一時期、新聞やテレビで話題となった「カジノIR」。いま誘致計画はどのくらい進んでいるのでしょうか?

また不安視されるギャンブル依存症への対策はどのようにとられるのでしょうか?

5月14日放送の『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、気になるカジノIR計画の現状に迫りました。

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IR(統合型リゾート)とは?

今回のテーマは…「カジノIR計画。結局のところ、大丈夫なの!?」

日本初となるカジノを建設しようというこの計画。
先月、観光庁は大阪府と長崎県からの整備計画の申請を受理。
秋頃にいよいよ認定地域を決定するそうで、経済活性化が期待されています。

一方で、”公営ギャンブル”の誘致には懸念の声もちらほら。

大石「ギャンブル依存症が増えるんじゃないか?治安悪くなるんじゃないか?とデメリットも指摘されているんですよね」

では、私たちの生活にどのような影響が出るのでしょうか?
今回の調査のために観光庁や地元の自治体を取材し、参考書籍にも目を通した大石。
一番わかりやすかったのは、経済ジャーナリスト・渋谷和宏さんの著書『IRはニッポンを救う! カジノ? それとも超大型リゾート?』(マガジンハウス刊)だったそうです。

大石「”R”はリゾート、”I”は何か?」

”I”は”Integrated”、日本語では「盛り込む、統合する、総合する」。
いったい何が盛り込まれるのでしょうか?
実はカジノの面積は3%未満に過ぎず、国際展示場、ホテル、ショッピングモール、コンサートホール、劇場などが入るのだとか。

大石「全部ひっくるめて”統合型リゾート”なんですね」

その中でも、カジノの売上げは70-80%を占めるそうで、まさに計画の中心となります。

シンガポールのIRがモデルに

大石「参考にしているのがシンガポールなんです。セントーサ島って聞いたことありますかね」

トランプ大統領と金正恩総書記が歴史的な会談(米朝首脳会談)を行ったセントーサ島。
世界最大級の水族館や海洋歴史博物館、ユニバーサルスタジオシンガポールなどで知られます。
ところが、SARS、MARSの流行で観光客が激減してしまいます。

大石「これじゃあいけないと。観光の起爆剤にしようと」

”カジノ"ではなく"IR”と謳いプロジェクトがスタート。
イメージアップの結果、世界中から観光客が集まり、税収も増えたそうです。

大石「いいことづくめだったという話なんです」

一方、日本ではどうでしょうか。
観光庁に確認したところ、一般の外国人が落とす平均額は15万3千円。
一方、国際会議で訪れた外国人の平均額は33万7千円で約2倍になるそうです。

大石「確かにそうですよね。自分に置き換えてみてください」

個人で行く分には財布の紐を締めますが、会社や団体負担だとつい緩くなるもの。

大石「僕は絶対やりませんけど」

誘致構想を進めていた矢先に…

つまり、IRは「外国人を呼び込むために必要なパッケージング」と噛み砕く大石。

ただ、懸念されるのはWHOが”病気”と表現するギャンブル依存症。
「7日間で3回しか入れない」入場制限や、「外国人は無料、日本人は有料」などの対策が講じられるようです。

現在、誘致に手を挙げている自治体はどこなのでしょうか?

大石「大阪、長崎は手を挙げた。和歌山は地元の反対があったんです。じゃあ、愛知はどうか?」

名古屋市はナガシマリゾート(三重県桑名市)を候補地に手を挙げようとしたところ、所在地である三重県知事が「なぜ桑名市になるのか?」と疑問を挟んだそうです。
一方で愛知県が候補地としているのは、国際展示場のある中部国際空港(常滑市)。

大石「ショッピングモールやホテルを作ろう、という構想があったはずです。話を進めていこうと思ってたら…コロナになっちゃったんです」

結局、その話も頓挫したようです。

早ければ2024年が目処となっている「カジノIR計画」。
まだまだメリット、デメリットをしっかり見ていく必要がある、と話を括る大石でした。
(nachtm)
大石邦彦のNOW ON SHARE!
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2022年05月14日11時43分~抜粋

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