大石邦彦のNOW ON SHARE!

完成が遅れる名古屋城天守閣、復元工事の現状は?

天守閣の建て替え工事が発表されてから早9年の歳月が流れている名古屋城。

進捗が気になるところですが、建設工事の現在など完成が遅れている背景にはどんな事情があるのでしょうか?

5月7日放送の『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、名古屋城の天守閣工事の現状に迫りました。

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”幻”の世界遺産・名古屋城

今回のテーマは…「名古屋城の天守閣工事。どうなってるの!?」

徳川家康が東海道の要衝に建てた名古屋城。
耐震補強のための建て替え工事が発表されたのは2013年頃。
実に9年もの歳月が経っています。

大石「一向に『完成しました!』という声、聞きませんよね」

江戸時代のちょうど始め頃、尾張徳川家の居城として天守閣が完成。
名古屋城と同時期に建てられたのが、世界遺産として知られる姫路城(別名・白鷺城)だそうです。
姫路城も数年前に耐震改修されたのだとか。

大石「実は名古屋城、日本の国宝第一号でしたから。残ってたらきっと世界遺産になっていたくらいのものなんですね」

明治の戊辰戦争を無事くぐり抜け、1930年に国宝指定を受けた名古屋城。
ところが、1945年の名古屋空襲で焼けてしまいます。
石垣には国宝級の価値があるため特別史跡にも指定され、戦後、鉄骨鉄筋コンクリートの天守閣が再建されます。

大石「もう二度と燃えないように、という願いが込められていたわけなんですね」

建設工事がストップした事情は?

それから約50年後の2010年頃。

老朽化に伴い、「大地震が来ると倒壊する」という検査結果が。
対策として、河村市長は木造で建て直す再建プロジェクトを発表しますが、浮上したのが予算の問題。
鉄筋コンクリートの耐震補強の場合、30億で済むのに対し、木造だと500億円かかるとの試算が出て市議会は真っ二つに。

2017年の市長選では木造復元が争点のひとつとなり、市長が圧勝。
2018年には工事のために天守閣の入場が禁止され、復元された本丸御殿が公開の運びに。
東京オリンピック・パラリンピック前の2020年7月に完成予定でしたが…

大石「完成してないですよね。延び延びになっている。このまま木造復元、進むかと思ったんですが」

延期後、2022年12月が目処になっていますが暗礁に乗り上げています。
実は文化庁が建設工事の許可を出していないそうです。

合わせるべきは昔か、今か

大石「だから止まったままなんですね。なぜ許可を出さないか?というと」

”江戸時代にできた石垣にこそ価値がある”との見立てから、「壊す前に徹底的に調査してください」と文化庁からお触れが出ているようです。

また、それ以外にも厄介な問題が。
奇跡的に図面が残っていたので、図面通りの建設を指示した河村市長。ところが…

大石「当時の図面通りに作ろう、ってなったらエレベーターはないわけですよね」

障がい者団体からすると、”エレベーターなし”は到底受け入れられない話。
揉めに揉めて、工事が進まなくなったのだそうです。

大石「だったら、人力で行けるのか?僕、調査しますということで」

4、5年前に姫路城を訪れ、身体を張って検証した大石。
担架で運んでもらったところ、下から上まで20分くらいかかったそうです。

大石「なかなか登るの大変ですよ」

それもそのはず、姫路城は階段が45度くらいの急傾斜。
もともと軍事施設だったために階段を急にして登りにくいようにしてあるそうです。
一方、これから作る名古屋城は”観光施設”とのこと。

大石「昔のまま本丸御殿のように再現するのか、それとも今の時代に合わせていくのか」

大幅に遅れている名古屋城天守閣の木造復元、その内実が見えてきました。
大石邦彦のNOW ON SHARE!
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2022年05月07日11時44分~抜粋

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