大石邦彦のNOW ON SHARE!

なぜロシアの木材が必要なのか?ウッドショックを徹底調査

いま話題の”ウッドショック”。
かねてよりコロナ禍で木材価格が高騰しており、それに伴って木造住宅の価格も上昇していたところへ、さらに昨今のウクライナ情勢が追い打ちをかけています。

その理由を、CBCの大石邦彦アナウンサーが木材メーカーなどから徹底調査してきました。

4月16日放送の『大石邦彦のNOW ON SHARE!』から。

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木造価格の高騰を調べてほしい!

先々週の初回放送でも取り上げられたウッドショック。木造住宅の高騰を指す言葉です。

大石「オイルショックになぞらえているのかもしれませんね」

表面化したのは2021年3月。
1年余りが経過しており、これまで通りの価格で作るのは難しいと言われています。

名古屋市在住のリスナーによると、木造関係に勤めているご主人は「そこまで値上がりしていない」と話しているそうで、ぜひ真相を調べてほしいとのことです。

大石「1年以上前から取材しているんですよ」

ウッドショックの震源地はアメリカで、そもそもの発端はコロナ禍だそうです。

ロックダウン中は休業の方が多く、木材の供給量が少ないにもかかわらず、巣ごもり需要から家を欲しがる人が急増。
低金利でお金が借りやすいこともあり、アメリカからヨーロッパ、そして日本へも伝わって世界中で木材の争奪合戦が始まったのだとか。

今回、木材の販売メーカーを取材した大石。
コロナ禍前までは1本の卸値が1800円だったところが、昨年の段階で2500円、さらに3000円くらいにまで上がっているそうです。
 

ウクライナショックが追い打ちに…

現在、家はどのくらいの価格で建てることが出来るのでしょうか?

住宅メーカーを取材したところ、なんと1軒あたり300万から400万円ほど上がっているそうです。
例えばコロナ禍以前に販売価格が2,500万円だった住宅が、2,800万から2,900万円程度の見積もりになります。

大石「ただ、ここまではウッドショックの話です。ここからはウクライナショックが加わってくるんですよ」

これを”第2次ウッドショック”と呼んでいるという大石。

ご存知の通り、2月からロシアとウクライナの間で戦争が勃発。
皮肉なことにロシアは木材の供給大国だそうです。

大石「世界の森林面積の20%です。ロシア広いですから。世界の20%です」

住宅メーカーによると、天井やフローリングなどに使われるため、占めて家の約20%にロシア材が使われているようです。
 

脱ロシア依存でピンチをチャンスに!

大石「ロシアは寒いじゃないですか。寒いと我々、身を縮めてしまう」

人間と同じように寒さで木も縮まるため、ロシア材は密度が高く、強いそうです。

大石「だから、ロシア材は家の強度を生むわけなんですよね」

割合でいうと、国産材がだいたい3割、輸入材が7割。

大石「ウッドショック、大変なんですけども。これを機に国産材を使ってもらえるようなシステムに変えられないのかな、と思っています」

ウッドショックを”ウッドチャンス”に変えたいと訴える大石。
これを契機に日本の木材事情も変わるのでしょうか?

ただ、日本の森林から切り出して運搬するのはコスト的に難しいとか。

大石「難しいそうです。日本の山は急峻な山」

複雑な事情が絡み合ったウッドショックについての今後が気になります。
(nachtm)
 
大石邦彦のNOW ON SHARE!
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2022年04月16日11時46分~抜粋

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