2017年5月31日(水)

ここまで進化した!「死の病」エイズ治療最前線

多田しげおの気分爽快!! / 未分類

5/29の「情報サプリメント」では、HIV(エイズ)を取り上げました。

毎年6月1日~7日までは、HIV検査普及週間です。
エイズは1981年にアメリカで初めて発見されてから、感染者はわずか10年程で世界中に100万人にまで広がっていきました。
かつてはエイズ=死の病と言われ、人類を滅ぼしてしまう病ではないかと恐れられましたが、現状はどうなのでしょうか?

今回は、名古屋医療センター エイズ総合診療部長の横幕先生に伺いました。

エイズってどんな病?

エイズは「後天性免疫不全症候群」の略称です。
HIVウイルスに感染すると体の中の免疫力が壊されてしまい、免疫機能が低下します。
そして、健康時には抑えられていた病原性の弱い微生物やウイルスが暴れだし、さまざまな病状が現れる病気です。

平成28年度末現在、エイズの感染者は約2万6000人。
そのうちの3割がエイズを発症しています。
新たにHIVに感染したのは1400人で、この数字はほぼ横ばいで推移しています。
横幕先生は、今こそこの数字を右肩下がりにできる重要な時期だとおっしゃいます。
というのも、エイズの最初の発見から約35年の間、治療技術の進歩は目覚しく、今やエイズは”死の病”という病気ではなくなってきているからです。

エイズはウイルスに感染してから発症まで数年から10年ほどかかります。
それでは、感染中の治療と、発症してからの治療の現状はどのようになっているのでしょうか?

HIVに感染したひとの治療は?

ではまず、エイズウイルスに感染した人が受ける治療の現状について伺いました。

「従来、エイズウイルスは3種類以上の薬を1日に何回も分けて、完璧に服用しなければ制御できませんでした」

増える力と変わる力が強いエイズウイルス。このウイルスを抑えることはやはり簡単ではありません。
しかし、それは過去の話。医療の進歩により、今、その治療方法は大きく変わりました。

「現在の薬は、1日1回1錠服用すれば、エイズを全く発症せず、また、早期に治療すれば感染していない人と同等の生活が可能です」

エイズウイルスに感染しても発症を防ぐどころか、1日1回1錠の薬を飲むだけでほぼ完全にコントロールでき、普通の生活を送ることができるとは驚きですね。

エイズを発症した人の治療は?

では、感染に気づかず、残念ながらエイズを発症してしまった患者に対しての治療はどこまで進んでいるのでしょうか?

「日本の場合は厚生労働省が定める23の病気、すなわちエイズ指標疾患を発症した場合に、エイズを発症したと定義されます。そのうち、悪性リンパ腫や脳に関わる一部の病気は、生命に影響を与えてしまいますが、それ以外であれば救命が可能です。さらに薬を服用することでほぼ、非感染者の方と同等の生活を送ることができます」

初めての感染者発見から約35年。めざましい進歩をしてきたエイズ治療です。
横幕先生も「劇的な進歩を遂げた分野」だと言います。

エイズ感染の自覚

感染しても発症を防げる、発症しても多くの場合はその病気に対応できる、エイズは死の病ではない、ということになると、重要なのは早期発見です。
まず、自分が感染者であることを自覚しなければいけませんが、感染者の中で自覚していない人はどの程度いるのでしょうか?

「日本では感染者の85%は感染を自覚しているといわれ、残りの15%は感染していることを知らないと推計されています」

感染していることがわかりさえすれば、その後の治療はコントロールできるまでになっています
では、感染を心配する人はどこで、どのような検査を受ければいいのでしょうか?

「基本的には血液検査になります。また、保健所では無料・匿名の検査を実施しているのでお勧めしています。ただ、検査日が限定されているので確認が必要です」

現在の日本では、治療技術も、そして、治療に対する経済的支援システムも確立していて、負担が少なくなっています。
感染の早期発見は、自分自身の健康、大切なパートナー、そして世の中を守ることにつながります。

最後に「世間もいろいろな偏見などは捨て、エイズという病気に対して成熟した世の中になることを切望している」と横幕先生は語りました。
(ふで)

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