石塚元章 ニュースマン!!

ヒット商品から分析する2024年、どんな世の中だった?

今年も残すところあとわずかとなりました。
2024年はどんな年だったか、振り返る機会も多いのではないでしょうか?

12月21日放送のCBCラジオ『石塚元章 ニュースマン!!』では、今年ヒットした商品から世の中を分析しました。
ゲストは「日経エンタテインメント!」創刊編集長で、日経BP 総合研究所 客員研究員の品田英雄さんです。

CBC論説室の石塚元章特別解説委員と加藤愛を交えて、巷のトレンドから世相を振り返りました。

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小さな買い物が主流

石塚「品田さんはトレンドの達人でございますので」

品田「流行りもの大好きで(笑)」

今年よく売れた商品を見ると、大谷翔平選手関連のグッズや新NISAが特に大ヒットしたようです。他にはポータブル電源も売れたとか。

品田「身近なものがヒット商品になっているんですね。車やスマホといった高価なものはあまり売れていない傾向にあります」

石塚「手ごろなお値段のものが、ということなんですね」

インフレで物価が上がっているにもかかわらず給与が上がっていかない状況の中で、お金を使うことに対して慎重になっていると考えられます。

品田「世の中が生成AIやら宇宙やらの進歩で大騒ぎしているのに、生活はあまり変わっていないどころか苦しくなっているというチグハグな状況なんですよね」

そういったギャップに人々が不満やストレスを抱えている。ままならない現状に対して人々の中にはぐちゃぐちゃした気持ちがあるのでは、と品田さんは見ています。

時代に沿ったロングセラー

続いてはヒット商品ではなく、ロングセラー商品から世の中を分析しています。

品田「実はこの10年という単位で、冷凍食品やスパゲッティがずっと売れ続けているんです」

冷凍技術や配送技術が進歩して、安くて美味しいものが手に入るようになったためなのだとか。

品田「スパゲッティって、昔は茹でる前に計らないといけなかったじゃないですか。でも今は100gずつ束になってるし、茹でる時間もすごく短くなってます」

石塚「すごく時短になりますね」

加藤「お湯が沸騰するのを待ってる時間の方が長かったりしますよね(笑)」

現在は3分で茹でられる商品もあれば、お湯を沸かさずとも電子レンジでも調理可能です。
タイムパフォーマンスが重要視される今の時代に、手早く作れるパゲッティや冷凍食品が重宝されるのは納得です。

プチ贅沢がトレンド

品田「逆に石塚さんや加藤さんは、今年よく買ったものなんかありますか?」

加藤「私、もう何本飲んだかわからない飲み物があって。『紅茶花伝 ころころ果実のフルーツティー』っていう商品なんですけど」

イチゴやオレンジ、桃などの果肉が入った紅茶飲料で、気合いを入れたい仕事前などに頻繁に飲んでいたという加藤。パッケージの可愛さや果肉感がお気に入りとか。

品田「実は定番の飲み物でも、ちょっとした変化で大ヒットにつながるんです」

そう言って例に挙げたのは、アサヒ飲料が発売した「未来のレモンサワー」。缶の中に本物のレモンスライスが漬け込まれた、世界初の缶チューハイです。
アサヒ飲料は去年にも、蓋を空けると泡が湧き上がる缶ビールを販売し大ヒットしています。

安いレモンサワーなら100円ほどで買えるところを、この「未来のレモンサワー」は200円近くするにもかかわらずよく売れているとのこと。
「本物さ」「お店で飲むような」といったキーワードがポイントになってくると言う品田さん。
写真や動画で仲間と共有して楽しめるといった部分も、今の流行にマッチしているようです。

品田「今の言葉で言うと『ライブ感』というんでしょうか。動きがあるものに関しては、皆さんすごく喜んでいるような気がしますね」

少し高いけどちょっとした贅沢に、自分へのご褒美に、といったささやかな特別感を味わうのにもピッタリなのかもしれません。

大人も子どもも満足

石塚「私は今年、粒胡椒っていうのを初めて食べて、気に入りましたね」

すり潰して粉状にする前の胡椒を、そのまま料理に入れたりチーズに乗せたりして食べることにハマったと言います。

加藤「石塚さん、まさに今年はスパイスの年だったんですよ」

数年前から続くエスニックブームの流れで、今年もスパイス関連の商品が流行ったそうです。
中でも1000万個以上を売り上げ大ヒットになったのが、ハウス食品の「クロスブレンドカレー」というカレールゥ。スパイス感を前面に押し出した風味が特徴のカレーです。

品田「スパイスって、やっぱりちょっと辛かったり大人の味になるじゃないですか。ところがこれは甘口まであって、お子様まで楽しめる」

甘口でもスパイスの香りを楽しむことができるため、子どもに合わせて甘いカレーを食べたり、大人用と子ども用で分けて作ったりしなくてもいいという部分がヒットにつながったのだそう。
共働き世帯が増加する中で、あわただしく家事をこなすお父さんやお母さんの支持を得た結果なのかもしれません。

来年も消費に関しては消極的な傾向になるであろうと予測している品田さん。
課題の多い世の中ではありますが、気分が明るくなるようなヒット商品が生まれることが期待されます。
(吉村)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2024年12月21日08時19分~抜粋

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