石塚元章 ニュースマン!!

防衛費アップによる増税、賛否を考える前に押さえておきたいこと

世間で大きな話題となった、防衛費増額による増税計画。

岸田総理が会見を開き、「われわれが(後に『国民』から訂正)自らの責任として重みを背負って対応すべき」と発言して、物議を醸しました。

12月17日放送『石塚元章 ニュースマン!!』(CBCラジオ)では、防衛費増額についてCBC論説室の特別解説委員・石塚元章と渡辺美香アナウンサーが解説しました。

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防衛費増税は避けられない?

世界の不穏な動きから国防には関心が高まる一方、税金というわれわれの暮らしに直結する話題ということもあって、番組宛てには多くの意見が届きました。

「話を聞くのが得意だと言っていた岸田総理ですが、国民の話は聞かないじゃんと思っていたら、自民党内の話も聞いていないようで、いったい誰の話を聞いているんでしょうか?」(Aさん)

「防衛費の予算増額のため、東日本大震災の復興特別税を1%引き下げるとしながらも、課税期間を13年延長するのだとか。
東北のみなさんは、こんな悠長な復興計画で納得ができるんでしょうか?」(Bさん)

「今年の漢字は『戦』という字ですが、アディショナルタイムがあれば『税』だったんじゃないでしょうか?」(Cさん)

中身が不明確な増税に対し批判がある一方で、あえて人気が下がることを表明したことを評価する意見もあります。

「今週の岸田総理の防衛費財源に対する進み方に、すごいスピード感を覚えます。
現在は批判がありますけど、将来は意外と評価されるのではないでしょうか?」(Dさん)

GDP

石塚は今回の増税について、2つ論点があるといいます。

1つは防衛費を増額しても良いのかということ、もう1つは財源は増税でまかなうべきなのかということ。

今まで日本の防衛費はGDPの1%以内という枠をはめていましたが、これを2%まで増やすというのが、計画されていることです。

歴史的に防衛費の推移を見てみると、戦後は軍事費・防衛費はほとんどない状況でしたが、1950年(昭和25年)に朝鮮戦争が起きたため、警察予備隊というものができました。

当時の予算は千数百億円で、1950年代にはGNP(当時の統計)の2.8%ほどになっていた時もありました。

今より予算が多く感じますが、これは日本の経済規模が今よりも小さかったため。
つまり、今後日本経済が悪くなっていくと、防衛費を減らしても2%を超えてしまう可能性はあるということです。

そう考えると、防衛費の予算とGDPを関連づけるのは、あまり意味がないことなのかもしれません。

国債でまかなうのは良いこと?

もう1つの論点が、防衛費を増やした予算はどこから持ってくるのかということ。
税金を増やすか、国債つまり借金を増やすかの2択のような話になっています。

税金を増やすことは、多くの方から抵抗を受けることですが、ここで石塚は国債で防衛費をまかなう是非について語りました。

日本の戦前は戦時国債といって軍事費を借金で集めていましたが、税金以上に議会のチェックが効かず、世論が気付きにくいというデメリットがあります。

石塚「国債は税金じゃないから良いよねっていう、単純なものでもないんです。
そういうこともわかった上で、こういう名目なら税金だねとか議論すべき。

そもそも2%に上げるのがいいね、悪いねという議論だと思うんですけど、ある程度知った上で議論をする方が良い」

また石塚は、防衛費を上げて武器を買ったとしても、そもそも少子化などで自衛隊員の成り手が少なくなると意味がなくなってしまう、という問題点も指摘しました。
(岡本)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2022年12月17日07時23分~抜粋

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