石塚元章 ニュースマン!!

「国語に関する世論調査」でわかった「言葉の意味」の変化

文化庁から2021年度の「国語に関する世論調査」の結果が公表されました。

10月1日放送の『石塚元章 ニュースマン!!』(CBCラジオ)では、この調査結果を基に、新型コロナに関連して生まれた言葉や、本来と異なる意味で使われている言葉の使用状況について、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が説明しました。

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新型コロナ関連の新しい言葉

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で誕生した言葉についての調査では、「おうち時間」という言葉は69.1%が「そのまま使うのがいい」と回答しました。

「『おうち時間』は7割の人が、『うちにずーっと閉じこもっている時間』とかそういう説明はいらない」という石塚に、「おうちって“お”が付いてるのがかわいかったりしてね」と渡辺美香アナウンサー。

「黙食」は「黙って食事」という意味で、そのまま使うのがいいと回答した割合は64.9%でした。

「人流」については、「そんな言葉は日本語にないんだから、いちいちどういうことか言ってくれなきゃわからないじゃないか」と、一部のコメンテーターが厳しく指摘をしていましたが、50.2%が肯定的でした。

「おうち時間」「黙食」「人流」は「そのまま使うのがいい」がそれぞれ過半数を超えています。新しく生まれた言葉ですが、すでに市民権を得ているようです。

逆に、同じ時期に生まれた言葉でありながらも「ちょっとどういうものか聞きたい」「説明がないとわかりづらい」というのは、「ワクチンパスポート」「エアロゾル」です。

「いらないから割愛!」は間違い?

そしてこの調査では、本来と異なる意味で使われている言葉の使用状況も尋ねています。

たとえば「姑息(こそく)」を、本来の意味である「一時しのぎ」として使っていたのはたったの17.4%。
73.9%は「ひきょうな」という意味で捉えていました。

石塚「ちょっと一時、一時しのぎが『姑息な』であって、ひきょうなという意味ではなかった。けど7割の人がひきょうな、という意味で。我々も、『姑息なことをするんじゃないよ』って言うときは、だいたい『ずるいことをするんじゃないよ』っていう意味で使ってるけど」

そして「割愛(かつあい)する」も同様です。本来の「惜しいと思うものを手放す」と理解していた人は23.7%。
65.3%は「不必要なものを切り捨てる」との意味で使っています。

石塚「デスクなんかがね、『お前の原稿長いんだよ!そこいらねぇだろ、割愛しとけ!』って言ったら、すかさず切り返す。『いらないから割愛しろ、は日本語の使い方がおかしい!』。若い記者の諸君、デスクに抵抗する時はこういう使い方をしてください」

なにげに使いたい「なにげに」

「新しい表現」についての調査では、「なにげに」が気にならない人は47.1%。

渡辺「『なにげに』はよく言いますね」

石塚「本当は『なにげなく』でしょ。若干抵抗あるんですけどね。でも逆に自分が若ぶって見せたい時、若い人の流行に追いついてるよって見せたい時は、“なにげに”使うけどね!」

「ちょっと気合入りすぎちゃったかな、今」と笑う渡辺。

文化庁のホームページではこの「国語に関する世論調査」の結果を見ることができます。

石塚「見ると、結構読み物として楽しいです。ただ文化庁も言ってます。『時代とともに、言葉の意味って変化したり、広がったりすることもあるんですよ』と」

「言葉の変化が一概にいい、ダメとはいえない」という調査でした。
(minto)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2022年10月01日07時26分~抜粋

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