石塚元章 ニュースマン!!

東京五輪に広がる汚職問題 今後の捜査のポイントは?

東京オリンピック・パラリンピック組織委員会で、元理事が受託収賄の疑いで逮捕されるというニュースが大きな問題となっています。

8月20日放送『石塚元章 ニュースマン!!』では、スポーツライターの小林信也さんにお話を伺いました。

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真相を解く鍵は?

まずは小林さんに今回の事件について尋ねました。

小林「真相を解く鍵というのは、招致の段階で疑惑を指摘されていた高橋治之容疑者がなぜ最後の理事として選ばれたのか。
誰が強く薦めたのか、誰も反対できなかったのはなぜか。

19日の報道で、実は2016年に参議院の文教科学委員会で、松沢成文さんが遠藤利明五輪担当大臣(当時)に、なぜこの人が入ってるんだっていう指摘をしてたという情報が出てましたけど、そういうことがあったにもかかわらず、生き延びてるわけですね」

そして、問題となりそうなお金の動きが明らかになってきています。

小林「おそらくですが、すでに公表されてますけど、フランス当局が最後の招致合戦でアフリカ票を取りまとめてもらうために、セネガルのディアクIOC委員の息子さんに、高橋容疑者の会社から2億3千万円が振り込まれてると。

JOCも高橋容疑者もこれは正当な報酬なんだって言ってるんですけど、招致に関わってコンサルティングしてもらうのに2億3千万もかかる正当な仕事って何だろうって」

大金が動いた理由

なぜ、このような不正と捉えられかねないような形で、大金が動いたのでしょうか。

小林「多くの人が見ているのは、結局2016年(開催に関する)招致合戦に(日本が)負けてしまったんですね。

その時、リオの裏金に負けたっていうのが実はみんなの思いだった。

実際にリオの会長って逮捕されてるんですけど、2020年は絶対に負けない、そのためならこっちもやるぞという共通の認識があって、最後、接戦になった時に、開いてはいけない扉を開けちゃったというか。

オリンピックは1から10まで真っ黒だとは思わないんですけど、招致する時に不正な手段を使ってしまった。

そして、そこに関わった高橋容疑者を招致委員会から組織委員会になっても、なおかつ理事として登用して残してしまった、この辺が今回事件にまで影響しているかなと思うんですよね」

問われる五輪のあり方

今回の問題は日本に限らないのですが、あらためてオリンピックのあり方が問われています。

石塚「純粋に一所懸命アスリートたちが頑張って、というスポーツの世界が片方にありながら、きれいごとばっかりだとできないよっていうオリンピックの側面は、今後どうなっていくんでしょうか」

小林「かなり淘汰されていると思うんですけど、問題なのは、なんでそこまでして国や東京都はオリンピックを持ってきたかったかっていうと、僕らが考えているようなスポーツの振興だとか、国民が生きがいを持って健康になる、そのためのオリンピックだというわけじゃないんですよ。

オリンピックという巨大なお祭りを持ってくることによって、IRを推進したいとかインバウンドを進めたいとか、(招致の)当時だったら原発の問題をある意味隠蔽するためとか、政治目的でスポーツが利用されている。

そういう意味ではこれから注目なのは、ただ高橋容疑者個人の私腹を肥やすためのものだったのか、これが組織委員会や政界にメスが入っていくのか」

1億5千万円の行方

この問題は実際、どこまで追及されるのでしょうか。

小林「(今回逮捕の理由となっている4,500万円とは別に)プラス2億3千万円が高橋容疑者に入っている。

そのうち日本セーリング連盟なんて1,500万円しかもらってないって言ってるんですよね。

大部分が高橋容疑者に入っていて、1億円は(自身が経営に関わっていた)ステーキハウスの借金に使ったって言ってるんですけど、これだと事件が小さくなってしまうんですね。

不明な1億5千万円がどこに渡ったのかというのがハッキリすると、その支払先が問題になってくるかなと」

どこまで広がるのか、さらなる捜査が待たれるところです。
(岡本)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2022年08月20日07時21分~抜粋

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