石塚元章 ニュースマン!!

首相や政治家 過去の暗殺事件を振り返る

7月8日、安倍晋三元首相が暴漢に襲われ亡くなられた事件は、日本中に大きな衝撃を与えました。

外国では政治家の暗殺が報道されることはありましたが、多くの方が「まさかこの日本で起きるとは…」「日本史の教科書でしか見たことがない」と思われたのではないでしょうか。

『石塚元章 ニュースマン!!』の「ニュースなポイント」コーナーでは、この週起こったニュースについて、CBC論説室特別解説委員の石塚元章と渡辺美香アナウンサーが解説。

9日の放送では、あらためて日本の歴史上で起きた政治家の暗殺に関して振り返りました。

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戦前はよく起きていた暗殺事件

初代の総理大臣は伊藤博文ですが、1909年(明治42年)中国のハルピン駅で殺されています。

そして大正時代になると、原敬首相、浜口雄幸首相がいずれも東京駅で襲撃され、命を落とされています。

さらに昭和時代になると「五・一五事件」で犬養毅首相、「二・二六事件」で高橋是清首相が亡くなられています。

また、安倍元首相の祖父にあたる岸信介元首相は、1960年(昭和35年)に首相官邸のレセプション会場で足を刺されて大けがを負っています。

同じく1960年にテレビでも生放送され、大きなテロ事件として衝撃的だったのが、社会党の浅沼稲次郎委員長の暗殺事件。
これまでに多くの政治家が犠牲になっていることがわかります。

演説中に亡くなる事件が

浅沼委員長は東京の日比谷公会堂で演説中、当時17歳の右翼の少年に刃物で刺され、命を落としています。
この事件は沢木耕太郎さんの作品『テロルの決算』(文春文庫)で詳しく描かれています。

石塚はこの浅沼委員長の事件と今回の安倍元首相の事件において「事件発生時の状況に似ている点がある」といいます。

石塚「今回は選挙期間で、(浅沼委員長の事件では)選挙期間をちょっと後に控えた時の演説会だったと思いますけど、日比谷公会堂の演台で話していらっしゃったら、駆け上がってきた少年に刺されて亡くなるという。

当時はテレビカメラやビデオはまだないですけれども、新聞や放送のメディアの人たちがいる目の前で命を失くすと」

平成にも事件が

また、首相以外の政治家では、1990年(平成2年)に名古屋市内で自民党の丹羽兵助衆議院議員が刺されて亡くなっています。

石塚「これはよく覚えてます。
当時警察の担当で、土曜か日曜で休みだったんですけど、家族で遊びに行こうとした時にポケットベルが鳴って呼び出されて、『丹羽さんが刺されたらしい』と。

これは名古屋市守山区にある自衛隊駐屯地のイベントに参加してたら亡くなられたと」

そのほかにも伊藤一長長崎市長が2007年(平成19年)の選挙活動中、暴力団幹部に銃撃されて命を落とす事件がありました。

歴史から学ぶ時期が来ている

こうして振り返ると、最近はあまりなかったため意識が薄かったのかもしれませんが、意外と暗殺事件は起きています。

渡辺「それだけ人前に立つっていうのは、危険を伴っているということですね」

石塚「日本で(暗殺事件は)起きないよねっていう思い込みが、警備だとか本人たちの身を守る意識にも影響したのかもしれないけれども」

今回の事件の背景には不明な点もありますが、原因究明もさることながら、警護の仕方を見直す必要はあるようです。

最後に石塚は「いずれにしても、その延長で結局今回も防げなかったということなので、過去にもいろいろ起きてるよということは、肝に銘じておいた方が良いという気がしますね」とまとめました。
(岡本)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2022年07月09日07時19分~抜粋

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