石塚元章 ニュースマン!!

ユネスコが異例のスピードで決定 ボルシチはウクライナ料理

『石塚元章 ニュースマン!!』の「ニュースなポイント」コーナーでは、最近のニュースからCBC論説室が1つの記事をピックアップ。

特別解説委員の石塚元章と渡辺美香アナウンサーが、わかりやすく解説しています。

7月2日の放送では、ロシアのウクライナ侵攻が料理文化にも影響を与えているというニュースを取り上げました。

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ロシア料理の代表といえば

ロシア料理といえば何を思いつくでしょうか。

たいていの方はピロシキとボルシチと答えられるのではないでしょうか。

ピロシキとは、外見はカレーパンに似たようなもので、ひき肉やジャガイモが入ったお惣菜のパンのこと。

そしてボルシチはスープの一種で、ビーツという野菜で作る赤い色をしたスープで、甘味や酸味があるのが特徴です。

このボルシチについて、7月1日に国連教育科学文化機関(ユネスコ)は、ボルシチをウクライナの無形文化遺産に登録することが決まったと発表しました。

このニュースを聞いて、「ボルシチはウクライナ料理だったんだ」と初めて知った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

無形文化遺産って何?

無形文化遺産とは、建物や遺跡などとは異なり、芸能や祭礼行為、伝統や工芸技術などといった、文字どおり形のないものに対して消滅を防ぐ目的で保護を行うために認定するもの。

実はロシアがウクライナに侵攻する前から、ウクライナはボルシチは自国の伝統料理と主張していて、ウクライナの文化として世界に広く知ってもらい、伝統を守るためにユネスコに申請をしていました。

一方でロシア側は外務省の役人が不愉快に感じていて、「別にウクライナの物ではない」「ロシアでもウクライナでも昔からある料理だ」などと反発。

ただ、実際にはウクライナが発祥であり、ボルシチ以外でもさまざまな文化が周りに派生したという歴史があるようで、ロシアは大国ですが、文化的には後に伝わったというものもいろいろとあるようです。

本来の手続きでは2023年に審査される予定でしたが、その間にウクライナ侵攻が起きたため、ユネスコはウクライナを支援するという意味もあってか、前倒しで審査を行い登録することとなりました。

本当はウクライナ料理なのに…

今回の侵攻でウクライナ全土に危機が訪れているのはもちろんですが、ボルシチにも危機が訪れていて、さらに無形文化遺産の申請をめぐっても争いがあるという状況です。

渡辺「観光っていうと、まずそこの国の名物を食べるっていう意味では、知られている料理があるかないかって大きいですもんね」

石塚「ウクライナの人は外国のレストランで、『ロシア料理』っていってボルシチが出てると、『本当はウクライナ料理なんだよな……って言いたい』って言ってる方もいましたけどね」

日本でも同じようなことがあり、名古屋めしとして知られている「天むす」は、本当は三重が発祥です。

このニュースであらためて、ボルシチ料理はウクライナ発祥ということが日本でもあらためて広まったのではないでしょうか。
(岡本)
 
石塚元章 ニュースマン!!
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2022年07月02日07時23分~抜粋

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