石塚元章 ニュースマン!!

個人情報データ紛失、逮捕歴の削除…デジタル化時代のリスクとは

先週、兵庫県尼崎市で全住民46万人以上の個人情報が入ったUSBメモリが紛失し、大きな問題に。

6月24日に発見され、現在のところ持ち去られた心配はないとのことですが、デジタル化の危うさについて思い知らされることになりました。

6月25日放送『石塚元章 ニュースマン!!』では、このニュースを含め、今週報じられたデジタル関連の3つのニュースから見えてくるものについて、CBC論説室特別解説委員の石塚元章が解説しました。

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ずさんな運用に怒りの意見

21日、給付金業務を委託されていた会社の協力会社で、さらにそこから委託していた先の会社の社員が尼崎市役所からデータを持ち出し、吹田市にあるコールセンターでデータを移す作業を実施。

作業が終わった後、USBメモリの中身を消去しないまま飲食店でお酒を飲んで泥酔し、路上で寝てしまったあと、起きたらUSBメモリが入ったカバンが紛失していることに気づいたとのことです。

この社員が運用ルールに違反したことが直接的な原因ですが、尼崎市のセキュリティレベルの低さを指摘する専門家もいます。

運用に関するお粗末ぶりに対し、リスナーからも番組宛てに怒りの意見が届いています。

「そもそもその場所で仕事を完結することが委託業者に求められているはずです。
担当者に終了の了解を得て帰るのが当たり前で、持ち帰るという考え方はそもそもあってはならないことです。
雁首揃えて謝れば済むと思っているのでしょうか」(Aさん)

「この委託会社が社外に持ち出す、これが考えられません」(Bさん)

紛失直後の対応にも問題が

この不祥事が発覚した際に役所と委託会社が会見を開きましたが、その際に新しい問題が発覚しています。

どうやらその社員はUSBメモリの紛失に気がついた時、すぐに会社や警察に報告せず、しばらく10時間以上1人で探していたようで、報告がかなり遅れていたことがわかりました。

石塚は「デジタル化で技術がいろいろと進歩しているのは素晴らしいことなのかもしれないけど、やっぱり最後にそれを無事使いこなすのは人間だよねというのが、今回よくわかりました」とコメント。

技術を使いこなすためにはルールづくりが必要で、さらにそのルールを守れるかどうかは結局人間にかかっているということですね。

デジタル化のメリット・デメリット

石塚がデジタル関連のニュースで他に気になったのが、SNSについて24日に下した判決。

Twitterで過去の犯罪歴を投稿された男性が、投稿の削除をアメリカのTwitter社に求めた裁判で、最高裁は削除を命じる判決を言い渡しました。

逮捕されたのは事実ですが、それがずっとインターネット上に残り続けるというのは、かなりの不利益を被ることになり、最近ではよく個人には「忘れられる権利」があるといわれます。

なんでも削除して良いとなると、世の中の不正なことまで隠して良いということになりますので、何を消しても良いのか一定の基準が必要ですが、今回の裁判で1つの基準を示したといえます。

また、三井住友フィナンシャルグループと三井住友カードは、SBIホールディングス、SBI証券と包括的資本業務提携について基本的に合意したと23日に発表。

ネットを使った業務に強いSBIグループと提携することで、ますます金融サービスのデジタル化が加速するものと見られます。

石塚はこれらのニュースを通じて、「便利になってきた物をどう使いこなすか、何かあった時にどう守れるかというのを並行してやっていかないといけない」とまとめました。
(岡本)
石塚元章 ニュースマン!!
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2022年06月25日07時22分~抜粋

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